ニュービル自身は、「もちろん厳しい戦いではあったが、どのチームも自分に対して激しくディフェンスしてくることはもう分かっている」と心構えはできていた。その上で、「リバウンドを取り切れなかったことや、フリースローの数も少なかったので、もう少しファウルをもらうことを考えながらプレーするなど工夫できるところはたくさんあった」と反省点を挙げ、冷静に結果を受け止めていた。
勝敗の波が激しいのもチームケミストリー構築の現れ
12月28日の琉球ゴールデンキングスに勝利してからA東京戦までの11試合を、8勝3敗で勝ち星を積み重ねていた大阪は、17勝17敗と勝率を5割に戻していた。今節は2連敗を喫したが、「ディフェンスは本当に良くなってきていて、チーム一丸となって守れている。そのディフェンスに影響されるように、オフェンスも良くなっている。大阪は良い選手がたくさんいる。みんなで成長し、チーム一丸となって今後も勝利を目指していきたい」とニュービルはチームの成長を感じている。
一方で、ここ2ヶ月ほどの戦いを振り返れば、連勝と連敗を交互に繰り返し、波が激しい状況が続いている。昨シーズンからのメンバー変更とともに、指揮官の交代が原因であるとニュービルは言及する。
「そのために、チームのバスケットスタイルが昨シーズンとはガラリと変わっており、そこが影響して勝敗の波に現れている。強豪チームの場合は、何年もコアメンバーが変わらずに一緒にプレーしているのでケミストリーが確立できている。今の我々は、シーズン中にそのケミストリーを作る過程にあることで、不安定な状況が出てしまっている」
今シーズンも半分を過ぎ、「今はどんどんお互いのことを理解しており、チームも成長している。これから終盤に向かっていくが、もっと勝ち星を挙げられるようなチームになると信じている」とニュービルは明るい未来を示したが、現状に対して楽観してはいない。
大阪にやって来て3シーズンを数えるニュービルにとって、「1番手応えがあったのは、やっぱり西地区2位でチャンピオンシップに出場した1年目(2020-21シーズン)」であり、あの楽しい記憶が残っている。当時から変わらずに徹しているのが、「自分がどれだけスタッツを残すかではなく、チームがどれだけ勝てるかが一番大事なことなんだ。まだまだ今シーズンも臨んでいるような勝率には至っていない」と気を引き締めた。
「未来を預言することはできないが、特に西地区は強豪チームが揃っており、上位チームから勝ち星を重ねていくことは容易ではない。現状の課題として一試合一試合を集中して臨み、まずは自分たちができることを遂行して勝ちを一つでも増やしていくこと。もちろんあきらめているわけではなく、できる限りの努力をしていくだけだ」
残りは24試合。その大半となる18試合が、強豪揃いの西地区との対戦が続く。
文・写真 泉誠一