2022年ラストゲームは、群馬クレインサンダーズと対戦した横浜ビー・コルセアーズ。晦日の初戦は95-82で勝利し、5連勝。しかし、大晦日は75-81でリベンジされ、1勝1敗に終わった。この2チームの戦いは群馬ホームへ舞台を移し、1月4日に行われる天皇杯の準々決勝まで続く3連戦。横浜BCの河村勇輝は、「三遠(ネオフェニックス)戦も3連戦でしたが、その初戦をしっかり勝てたことで流れに乗ってプレーできました」と言い、先手を取ったアドバンテージでさらなる勝利を目指す。この3連戦を勝ち越したチームが、天皇杯セミファイナルへ駒を進める。
「1年を振り返って、本当に心身ともに成長できた年だった」河村勇輝
東海大学を中退し、覚悟を持ってプロの道に進んだ河村にとって、飛躍の年となった2022年。オフシーズンには日本代表に選出され、NBAで活躍する渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)と同じコートに立った。その一方で、トム・ホーバスヘッドコーチには積極的に得点を狙うことを指摘される。現在リーグトップのアシスト(9.4本)を誇るパッサーが、得点を意識したことで日本人選手トップの平均17.2点(リーグ全体20位)をマークし、その期待に応えている。
「メンタル的なものが1番ですかね」と河村は、2022年の変化を振り返る。青木ヘッドコーチも「彼自身の意識が一番大きい。チームとしても彼の特徴を活かそうという意識も高くなった」と言及し、得点力がアップした。河村の変化だけではなく、「特徴的な選手が多く、シューターやドライバーなどそれぞれのポイントがあり、それをうまく組み合わせるようにしている。みんなが理解してプレーできていることが、今の相乗効果につながっている」と指揮官は続け、チームが成熟しはじめてきた。河村自身、飛躍を遂げた2022年の変化を以下のように語ってくれた。
「とにかくプロとして、この1年目は結果を残さないといけないと思っていました。また、来年(2023年)にはワールドカップがあり、それに向けて僕も日々結果を残してアピールしないといけない年でした。今年1年を振り返って、本当に心身ともに成長できた年だったと思います。でも、着々と成長している中で、また大きな壁や課題が見えてきています。来年以降は、そこにフォーカスしながら成長していきたいなと思います」
パスだけではなく、スコアできるポイントガードへ進化したことで、「いろんなチームがいろんな対策をしてきます。自分にわざとスコアさせたり、自分の強みであるアシストを消すようなディフェンスをしてきたり、組織的にダブルチームであったり、完全に自分対策をしてくるチームが増えてきています」と言うように、相手もまた変化している。
対策される現状を「誇らしいこと」という河村だが、「やはりチームを勝たせるためには、それを超えていかないといけない、相手が思っている以上のプレーをしていかなければいけないと思っています。幅の広い選択肢のある選手へと成長できるようにしていきたいなと思います」と2023年の目標を掲げ、壁を乗り越えていく。