オフェンスでも変化が見られており、「シュートに関しては、今日(12月31日)も確率はよくなかったですが(FG34/78本:43.6%)、積極的に打っていけとヘッドコーチは言ってくれています」と、シュートを武器にする原にとってプレーしやすくなった。中でも3ポイントシュートは、昨シーズン平均26.7本と比較しても、12月31日の三遠戦では38本を放っており、1月1日時点の平均試投数は33.3本と格段に増えている。日本代表やNBA同様に、期待値の高いモダンなスタイルをパトリックヘッドコーチは取り入れている。3ポイントシュート試投数はまだ及第点とは言えず、「40本は打っていきたい」と目標値を掲げていた。
昨年末、千葉Jは若き新戦力を3人迎えた。練習生として佐藤星来(20歳/東洋大学)、特別指定の高橋克実(22歳/龍谷大学)、そして日本体育大学に在籍しながらプロとして契約した小川麻斗(21歳)。少ない試合時間ながらデビューを飾った小川に対し、「得点も取れるコンボガードだが、チームにフィットするには時間がかかると思う。だが、能力があるのは分かっている。彼と高橋克美、佐藤星来も、練習で一生懸命がんばっている」とパトリックヘッドコーチは話し、いずれもポイントガードの彼らを丁寧に育てている。
60試合続く長いシーズンであり、「5月にチームがベストの状態で戦えるようになること」という時間軸でパトリックヘッドコーチはチームを進化させ、チャンピオンシップに進んでからが本当のスタートラインとなる。ふたたび大きなケガに見舞われた大倉颯太は残念だったが、「ケガしないように無理をさせず、ステップ・バイ・ステップしていきたい」というパトリックヘッドコーチの方針があり、ヘルシー(健康)なチームこそ最強である。
「2023年、チームとしてはまず天皇杯を優勝するところが最初の目標としてあり、一つひとつクリアしていって目標である3冠(天皇杯・地区制覇・リーグ優勝)を達成したい」と富樫は力を込めた。一つ目のマイルストーンである天皇杯優勝へ向けた準々決勝は、1月4日に信州ブレイブウォリアーズと対戦する。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE