「いろんな違いがあるけど、審判もだいぶ違うんですね。ヨーロッパの目で見ると、日本、アジアは全部トラベリングがOKだから、国際大会に行くとそれが日本のチームは問題になる。手の使い方とかについても笛が違う。もちろんフィジカリティの違いはあるけど、プレーだとペースが一番違います。ヨーロッパではオフェンスはいつもファストブレイクを狙ってディフェンスはフルコートでプレスをします。でもBリーグではバックトゥバック、土日で続けて試合があるから、フルコートプレスは非常にしにくい。一度大学の試合を見に行ったんですけど、(大学もバックトゥバックで試合をするので)本当にディフェンスをやれていないような気がする。筑波大が少しだけ、フルコートであたっていたけど、でもだいぶ違う。
スタイルが180度違うので、日本のトップ選手が海外にチャレンジするのは本当に大変だと思います。でも自分でチャレンジする心を持っていけば、活躍はできると思います。」
そしてそのスタイルの違いの解消は、選手のみの努力でできるものではない。
チームの文化を構築するのはコーチの仕事であり、試合の基準を決定するのは審判の仕事だ。
「各国でそれぞれのプレースタイルがあるんですけれども、一般的にアジアのバスケットとヨーロッパのバスケットはまず違う。ヨーロッパが面白いのは、例えばドイツなんてドイツ人のヘッドコーチが2人しかいない。プロリーグに。トルコとかリトアニアとか、イスラエル、ユーゴスラビア、いろんな国からコーチが来て、お互いのものを盗んでいるからだんだんだんだんプレースタイルが発展するんです。
そういった選手の交流、コーチの交流だけではなくて審判の交流も必要。日本は大学の試合も高校の試合も、もちろんB1、B2の試合も見てるんですけれども、基本的に審判が違うと思ってます。日本の代表チームやクラブが国際大会で外国の審判に対応するためにも、その違いを知っておいたほうがいいと思います。」
文 石崎巧
写真 B.LEAGUE