チームの厚みを増すアジア特別枠の2人
A千葉はコービー・パラス、長崎にはジョーダン・ヘディングと、3人の外国籍選手にプラスして登録できるアジア特別枠の選手たちが存在感を示していた。パラスは7戦目となる10月22日の香川ファイブアローズ戦から起用され、長崎との初戦は9点を挙げた。昨シーズンは新潟アルビレックスBBでB1を経験してきたパラスであり、当然B2では昨シーズン以上の活躍を見せている。「自分の役割に納得し、心地よくプレーできている。A千葉は自分のホームだとすごく感じることができるんだ」とその要因を挙げ、A千葉の水が合ったようだ。
対する長崎のヘディングは同じく初戦に17点をマークし、勝利に貢献。平均13.9点は、チーム2番目の得点源となっている。前田ヘッドコーチは「得点だけではなく、オフェンスでクリエイトするところで活躍してくれた。ディフェンスではスタッツに現れにくいボックスアウトなどをしっかりと徹底できる選手」と評価する。それぞれアジア特別枠の2人がフィットしてきたことで、さらにチームの厚みを増していた。
良きライバルとして成長し続ける両チーム。A千葉のレマニスヘッドコーチは、「本当にアグレッシブにファストペースでプレーするチーム」と長崎の印象について述べる。「ディフェンスではプレッシャーをかけ続けて、オフェンスではとにかく走ってドライブしてリングに向かっていく。普段は3ポイントも本当によく入るチーム。エネルギーとフィジカルを一貫して常に出してくるようなチームという印象を持っている」と続け、B3からともに競い合うライバルの存在を歓迎する。
長崎の前田ヘッドコーチも、「昨年から長崎とA千葉という良いライバル関係でシーズンを過ごせている」と言い、互いに高め合う存在である。2戦目は敗れてしまった長崎だが、「関東で試合をできる機会はあまり多くないので、今日もたくさんのファンの皆さんの前で試合ができて良かった。最後までチームとしてまとまって戦い、さらに長崎のスタイルを最後まで徹底し続けられたことで収穫も多かった」と前を向く。ワールドカップ予選のためにB1が中断されていることもあり、前節のアースフレンズ東京Zのホームゲームを含め、首都圏で活動するB1のファンや選手たちが元チームメイトの応援に駆け付けていた。
通算9勝4敗で並んでおり、A千葉は東地区2位、長崎は西地区1位。B3から昇格してきた両チームがB2を引っ張っている。現在ホーム5連勝中の長崎は次戦、B2最少失点(平均69.5点)を誇る西地区3位の佐賀バルーナーズをホームに迎える。
文・写真 泉誠一