平均92.3点でB2トップの攻撃力を誇る長崎ヴェルカ
B3リーグから昇格し、勢いそのままにB1まで駆け上がるべく、今シーズンのB2に挑むアルティーリ千葉と長崎ヴェルカ。昨シーズンのB3リーグにおける直接対決の戦績は2勝2敗。お互いのホームゲームで、いずれも1勝1敗とどちらも譲らない。はじめてB2での対戦となった両チームだが、3度目のカードもやっぱり1勝1敗となり、今回も決着がつかなかった。
「ハイスコアな展開は我々の武器のひとつであり、表現したいもの」と長崎の前田健滋朗ヘッドコーチが言うように、平均92.3点で現在B2トップの攻撃力を誇る。初戦は、第1クォーターからともに確率良くシュートを決め、得点を奪い合う接戦。A千葉と長崎のスタイルも似通っている。互いに攻め気なフルコートディフェンスで流れをつかみ、9回もリードが入れ替われるシーソーゲーム。40分間のうち、約3/4となる27分間リードしていたのは千葉の方だった。
オフェンス力を誇る長崎だが、「最後にディフェンスでストップできたのが一番大きかった。最後は連続して得点できたわけではなく、相手に難しいショットを打たせて1本を守り、オフェンスをして、もう一回守っていったことが勝ちにつながった」と前田ヘッドコーチは勝因を挙げる。ジェフ・ギブスがコートに立てず、40点を挙げたマット・ボンズも最後はファウルアウトとなり、代わって入ったのがベテランの野口大介だった。アンダーサイズながら身体を張り、「しっかりと守ってくれたことが非常に大きかった」と前田ヘッドコーチは感謝する。最後のフリースローは1投目こそ外れて苦笑いをしていたが、しっかりと2投目を沈め、96-94で長崎が勝利をつかんだ。
A千葉のアンドレ・レマニスヘッドコーチは、「非常に受け入れがたい負けだった」と悔やみきれない。19本のターンオーバーをはじめ、長崎に15本獲られたオフェンスリバウンド、ボンズが挙げた40点のうち17点をフリースローで与えてしまったファウルの多さを敗因としてレマニスヘッドコーチは指摘する。「スカウティングしてきたものをしっかりと遂行できてなかったことで、相手にイージーに得点させてしまう場面がたくさんあった」ことで、流れをつかみきれなかった。
翌日の第2戦は、逆にA千葉が19本のオフェンスリバウンドを奪い、104-84でリベンジを果たす。長崎にとってはギブスに続き、パブロ・アギラールを欠いてしまったことが大きかった。同期のライバル対決の次戦は来年2月4日・5日、今度は長崎のホームで行われる。先に2連勝を挙げるのはどちらになるのか興味深い。