川辺泰三、について調べてみる。
大阪府大阪市出身。
元プロバスケットボール選手。
元社長。
TwitterでBリーグのバレンタイン企画に投票してる。(石川海斗宛て)
Twitterのリンクからアメブロに飛ぶと大昔にタイムスリップする。
ファイティングイーグルス名古屋ヘッドコーチ。
取材当日、事前の下調べからも窺えた親しみやすさが画面いっぱいに広がる。
初めて話をしたとは思えないほど気さくな受け答え。
「B1に昇格して取材が圧倒的に増えた」と語る川辺に、まさしくその彼について書かれた記事で話していた内容について、聞いてみたかったことを尋ねる。
その質問を受けて、川辺は自身がヘッドコーチとして大事にしていること、そして彼の真ん中を形作るもののことを教えてくれた。
── 川辺HCがいろんなところでされている発言を拝見すると、チーム内で選手が話しやすい環境や文化を作ることに注力されている印象を受けました。
バスケットというよりも人生観というか。選手のときに僕も5チームぐらい経験したし、その中で無茶苦茶勝ってたシーズンもあれば、全然勝てなかったシーズンもあった。そこで選手が代わったりコーチが代わったりっていうのもいっぱい見てきたけど、なんかいつもそんとき違うなあ、っていうのはすごく思っていて。で、実家が仕事してた部分もあって、「スポーツと仕事は一緒だ」って常に母親にも言われていて、そういう中で、コーチだから選手だからっていうよりは、全員が『自分ごと化』してチームが勝つためにどう最善を尽くしていけるのかっていうことが一番素晴らしいことだと思ったんです。
それをするためにはコーチが偉いとか選手が偉いとかじゃなくて、チームのみんなもいろんなところで経験してきてると思うし、それぞれが持ってる知識でいいと思ってるもの、チームが勝つ、とか良くなるためのものがあれば、それをどんどんどんどん言っていくべきだし、全員がわかっていくべきだと思ってる。だからそこにアシスタントコーチだから、ヘッドコーチだから、選手だから、っていうふうには個人的にも全然思ってない。うちのアシスタントゼネラルマネージャーの坂東(武幸)って今すぐそこにいて、あれもすごくうるさいんですけど、そういう感じで誰もが発言できる環境。でもそれが自由すぎるんじゃなくて勝つためのカルチャーを作るために自分ごと化できるように、っていうところがすごく大事なのかなと思っています。
── 選手を引退されてから社長業をされていたときにも、そういった形での経営の仕方だったんですか。
僕はけっこう特殊で、32歳で一回親に言われて引退して、そんときもうバイトもしたことなくって。家帰ったときに初めて親父に「社長しろ」って言われて、「えー!」ってなったんですよね。でもまあ横に支配人っていう教育係のような、僕がちっちゃいときからいてる人がいて、その人に全て教えてもらうっていうような環境で。そもそもこれって社長が偉い、とかじゃないんですよね。家業は結婚式場やったんですけど、やっぱりそこに素晴らしいプロフェッショナルのカメラマンがいて、素晴らしいメイクの人がいて、素晴らしいブライダルプランナーの人がいて、シェフがいて、サービスがいて、ってなっていったときにね、やっぱり僕が一番わかってへんわけ。そういう状況で入ってる中で全員がプロフェッショナルな意識を持って、全員が自分ごと化してこの最高の式を作る、っていう環境にいてることは、やっぱ素晴らしいなって思ったし、そういう会社とかそういう環境の中に親がいて、そこに入れさせてもらったっていうのは本当に素晴らしい経験やったんかな、と思いますね。