「ディフェンスではバックコートからプレッシャーをかけ、スクリーンに対してもファイトオーバーして追いかけ続けるプレーも素晴らしい。175cmというサイズでは、相手に体をぶつけていくにはものすごい覚悟を持っていなければなりません。でも、彼は大きな相手にも怖がらずにしっかりとぶつかっていき、メンタル面でも大きな成長を感じています。オフェンスでもバックコートからフロントコートまで素早くボールを運び、相手をどんどん抜いて行くプレーが魅力です。3ポイントシュートも、今シーズンは46.2%(昨シーズン30.2%)と向上しており、チームに大きく貢献をしてくれています」
大塚は「アグレッシブにスコアを狙いに行くのは非常に良いところ」と評価する一方、B2を制するためにも欠かせないポイントガードの成長に期待を込めて課題を挙げる。
「状況に応じたアドバンテージを見つけたり、選手の長所を生かしたりするのがポイントガードなので、もっとパスの部分は学んでいかなければなりません。ディフェンスでは、長所である足を動かして前からフルコートでプレッシャーをかけるプレーは良いですが、やっぱりサイズが落ちてしまうのでハーフコートに入った後のディフェンスではもっとバスケIQを使って、相手がやってきそうだなという読みなどはもっといろんな試合を見て学んでほしいと思います」
チーム最年少の藤本は特別指定選手として大阪エヴェッサでプレーした後、A千葉での2シーズン目を迎える24歳。最速でB1昇格を目指すためにも、経験豊富なチームメイトから貪欲に吸収しながら足りない経験値を補える環境にいる。大塚自身も常にB1レベルを意識させ、チームに浸透させながらレベルアップに挑んでおり、福島戦のような二桁得点が複数出る状況に手応えを感じていた。
「まんべんなく点数が取れたり(※2桁得点が5人)、アシスト数もわりと多かったり(※20本)、ボールと人が連動して動けていた印象があります。そういうプレーがたくさん出てこないとB1の上位では戦っていけない。個の力で打開するのはほぼ無理なので、今日のようなチームになっていければいいですし、このバスケットの仕方を学んでいかなければなりません。この戦い方を大切にしていきたいですし、練習中から常に言っています」
続く2戦目も87-78でホーム2連勝を飾り、3勝2敗で貯金生活に突入。次戦(10月22日・23日)は昨シーズンB2西地区1位の香川ファイブアローズ、水曜ゲーム(10月26日)は越谷アルファーズと強豪とのタフな戦いが続く。その週末から天皇杯3次ラウンドがスタートし、1回戦は連敗した山形ワイヴァンズと再戦。勝てば、B1のレバンガ北海道への挑戦権をつかむ。最速でのB1昇格を目指すためにも、真価が問われる開幕マンスリーとなる。
文・写真 泉誠一