── 今シーズン、チームとして目指すものを教えてください。
橋本 まずはCS(チャンピオンシップ)出場。ただし今までのCSを見ていると、CS出場を目標に掲げているチームはそれが果たせた後、たいてい優勝を目標にしているチームに敗れています。そうばかりではないかもしれないけど、僕の中にはそんなイメージがあります。だからうちのCS出場という目標は『そこで決して満足しないこと』を前提にしたもので、本当の意味で目指すのはさらにその先にあります。ずっと下位に低迷してきたチームが何言ってるんだと言われるかもしれないし、厳しい道のりになることは十分承知しています。でも、今のレバンガを見れば可能性はゼロじゃない。どんな状況のときも応援し続けてくださるファンの皆さんに希望を感じてもらえるよう最後の最後まであきらめないバスケットを貫きたいと思っています。
── 橋本さん。口調がだんだん熱くなってきました(笑)
橋本 そうですかね(笑)。実は昨シーズンも見ていて熱くなった試合がありました。シーズン中盤くらいのホームゲームなんですけど、1戦目に(桜井)良太さんがベンチ外になったんです。で、2戦目はベンチ入りしたんですけど、コートに出たときの良太さんのパフォーマンスがすごかったんです。前日の(ベンチ外になった)悔しさをぶつけるみたいな、まだまだ自分はできるというのを見せてやる!みたいな。それを見ていてなんか胸が熱くなったんですね。選手としてもっと強くなりたいという良太さんの気持ちがめちゃくちゃ伝わってきたんです。そのとき、レバンガはもっと強くなれると思いました。チーム最年長の良太さんがあれだけ気持ちを出して、あれだけ活躍している姿を見て、若い選手たちが何も感じないはずはありません。ベテランのああいう背中がある限り、このチームはまだまだ成長できると思いました。
── 橋本さんがレバンガに来て迎える4年目のシーズンがもうすぐ始まります。その向こう側に見える景色が楽しみですね。
橋本 楽しみです。もうオフのときから楽しみでした(笑)。オフの間、体は休めていても頭の中には「新シーズンはああしたい、こうしよう」というのがいっぱい浮かんできて全然バスケットから離れられませんでした。まあ、それもまた楽しかったんですけどね(笑)。レバンガに来たときは「新しい風を吹かせてみせる」とはりきっていた自分も(チームで)上から2番目の年齢になり、今の役割も「しっかりした土壌を作りチームを支えること」に変わったと思います。この前のミーティングでは「今シーズンは9位とか10位とか入替戦があるとか、ないとか、そういうレベルの話はしたくない」とみんなに伝えました。キャプテンは強気です(笑)。ここからまた良い準備をして、みんなでレバンガ史上最高の景色を見に行きたいと思っています。
レバンガ北海道 #0 橋本竜馬
橋本竜馬が目指す “4年目” の向こう側
前編 ネガティブなチームからポジティブなチームへ
中編 2度の移籍の理由は「知りたい」という好奇心
後編 今シーズンはレバンガ史上最高の景色を見に行きたい
文 松原貴実
写真 B.LEAGUE