すでに販売開始となった廉価版のレプリカユニフォームにもリサイクル素材が用いられている。元沢社長は「性別や体型にとらわれず、一人ひとりに合ったユニフォームを着てもらえるように」と、Sから4XLまで7サイズ展開へ拡張。同じくスーツセットも販売され、男女どちらが着ても違和感のない同じデザインが特徴だ。SDGsの目標である「12.つくる責任、つかう責任」だけではなく、「5.ジェンダー平等の実現」「10.人や国の不平等をなくそう」など、ウェアひとつ取っても様々な取り組みが盛り込まれている。
&ONEプロジェクトで “価値” を高め、チームとして “勝ち” を目指す
プロバスケ選手として、SDGsを通じて様々な影響を与える。それは地域環境を良くするとともに、選手自身の人生もまた豊かにしてくれるはずだ。リサイクル素材を使用したユニフォームを着て試合に臨むことで、「僕らの一番の目標は優勝することであり、それを達成したときに&ONEプロジェクトも一気に全国に広められるのではないかと思っています。それを子どもたちに認識してもらって、バスケの楽しさとともにSDGsに対する面でもいろいろと影響を与えられるのではないかと楽しみにしています」と熊谷は期待を寄せ、クラブの価値を高めていく。
アンバサダーの篠山は、コート外でも精力的に行っているSDGsの活動を通じて、まわりを巻き込みはじめていることを実感していた。
「SDGsに関して僕ら選手が発信したり、クラブがアクションを起こすことによって、実際に家庭の電力の契約を変えてくれた方々と一緒に相模原市にある太陽光発電パネル見学会に行きました。自分らがアクションを起こすことによって、ファミリーの皆さんが前向きなリアクションを起こしてくれており、良いスパイラルのはじまりをすごく感じています。自分たちがSDGsを積極的に取り組むことによって、街に影響を起こせるとか、子どもたちに興味を持ってもらえるとか、もっともっとやっていく必要があります。SDGsを通して、川崎の街を元気にしていきたいという思いもあります。川崎ブレイブサンダースというクラブの価値を高めたいし、これだけの影響力があることを世間一般に向けて良い形でアピールできるチャンスです。引き続き、ファミリーを中心にアクションとリアクションの良いスパイラルを起こしながら、大きな渦にしていくことでみんながハッピーになるのではないかと思っています」
日本一SDGsの活動にがんばっているクラブだからこそ、「コートの中でも今年こそリーグ制覇をもたらさなければならない」と篠山はモチベーション高く、新シーズンを待ち焦がれていた。
SDGsに取り組むことで、些細な部分かもしれないが、住みやすいホームタウンの実現に貢献できる。その象徴として、川崎ブレイブサンダースをはじめとしたプロスポーツクラブが引っ張って行く活動が素晴らしい。SDGsだけではなく、プロクラブやプロ選手がこのオフシーズン中も、様々な地域貢献やチャリティー活動などを行っていた。bjリーグのときもそうだったが、子どもたちに夢を与え、地元を豊かにする活動に触れることで日本バスケ界にプロができて本当に良かったと実感している。
文・写真 泉誠一