さて、前編でも触れたことを繰り返すようで申し訳ないが、Hazukiはバスケットという競技に関してはほぼ初心者の状態でアルファヴィーナスの一員となっている。そんなHazukiにバスケット界がどのように見えているのかというのも気になるところだ。Bリーグ誕生で認知が広がり、女子5人制の東京五輪銀メダルでメディア露出も大幅に増えた印象があるが、プロ野球やJリーグに比べるとまだメジャースポーツとは言い切れないのも事実。ただ、そんな現状にHazukiは「不思議です。スポーツをしてこなかった自分が言うのも何なんですけど(笑)」と言う。
「部活動とか地域のミニバスとか、幼少期から触れるチャンスはあると思うし、競技人口も多いと思うんです。地元のほうでダンス仲間のいるチームを見に行ったときに、一緒に行った友達は『面白かった。また見に行きたい』と言っていたので、まだ国内のプロバスケットに触れる機会が少ないだけなのかなと思います。プロチームは各地にありますし、例えばアルファーズならファミリー向けにイベントがあったり、子ども向けの企画があったりするときに初めて来る方も結構いらっしゃるので、一つきっかけがあればどんどんメジャースポーツになっていくと思いますね。そういう方たちのために、エンターテイメントのピースの1つになれればと思います」
そんなピースの1つとして、アルファヴィーナスはどのようなパフォーマンスを披露していくのか、そしてHazuki自身はブースターにとってどのような存在でありたいのか。Hazukiの答えはこうだ。
「アルファヴィーナスは私の1シーズン目の時点で方針がしっかりしているというか、目指すべきところをディレクターのMinoriさんが明確にしてくださっています。この2シーズンのメンバーはチアダンスをやってきた子が少なくて、チームとしてチアダンスのスキル面を高めていくのはもちろんなんですけど、その中で個人のパフォーマンスを披露するタイミングもあるので、そこでそれぞれの個性を出して幅の広いパフォーマンスができると思いますし、それがアルファヴィーナスの良さだと思います。私自身は、まずダンス面でガッカリされないように(笑)、実力が伴っていると思っていただけるようにということと、SNSの写真だけではわからない部分も良かったと言っていただけるように頑張りたいです。ぜひアルファーズのホームゲームに来てください!」
選手たちを後押しする想いを会場のブースターにも乗せ、一体感を生むチアリーダーの仕事。決して簡単にできる仕事ではないが、盛り上げようと客席に向けて手を振ったときにブースターが手を振り返してくることを素直に喜び、「楽しんでいる」と言い切るところもHazukiのチアリーダーとしての才能だ。縁のなかった越谷で、縁のなかったバスケットの世界に飛び込み、チアリーダーに初めて挑んでプロにたどり着いたHazukiは、これからもチャレンジの日々を送る。
プリンセスになりたかった少女
越谷アルファーズ・アルファヴィーナス Hazuki
前編 https://bbspirits.com/bleague/b22070102/
後編 https://bbspirits.com/bleague/b22070401/
文 吉川哲彦
写真提供:越谷アルファーズ