2018-19シーズンのプロクラブ化以降、何かと話題を提供してきた越谷アルファーズが、5月27日にまたもブースターをザワつかせるビッグニュースを発表した。アルファヴィーナス・Hazukiとの専属プロ契約である。筆者が把握している限り、Bリーグでは千葉ジェッツと長崎ヴェルカに続く3例目となる。
言うに及ばず千葉Jはリーグを代表するビッグクラブの1つであり、長崎もご存じの通りジャパネットホールディングスという大きなバックアップがあり、今後の躍進が見込まれているクラブ。そこに発展途上の越谷が名乗りを上げることはある種の賭けでもあるが、冒頭で述べたように越谷は常に話題を発信し続けているクラブ。アグレッシブに仕掛けるのはお手のもので、その攻めの姿勢こそがこのクラブが持つ最大の武器でもある。
そして、クラブがそんな大きな決断に動いたのは、何よりHazukiという1人の女性の人間性によるところが大きい。まずは、そんなHazukiの人となりを探っていきたい。
神奈川県出身のHazukiには、5歳離れた姉がいる。その姉が10歳のときに出演したクラシックバレエの発表会を見に行った。つまり、Hazukiは当時5歳。物心ついて間もないそのときのことを、自身は「プリンセスになりたかった」と振り返る。
「クラシックバレエの発表会ってすごく煌びやかで、シャンデリアがあったりお城みたいなセットがあったりして、それが衝撃だったんです。私も絶対にこの舞台に立ちたいと思って、姉と同じスタジオに通い始めました」
アルファヴィーナスでのパフォーマンスを見る限りでは全く想像がつかないが、どうやらダンスの実力と運動神経は比例しないものらしく、実はHazukiは運動全般が苦手だという。そんなHazukiに、体を動かす楽しさを教えたのがダンスだった。
「幼稚園の頃から運動が全くできなくて(笑)。走るのも遅いですし、水泳もできないですし、体操クラブみたいな所には通ったんですけど跳び箱も跳べないんです。でも、同じ体を動かすのでも、クラシックバレエは楽しいなと思いながらやれましたね。全然上手ではなかったと思うんですけど、踊ることが好きだなと思えたので、そのスタジオには20歳くらいまで通いました」
高校生の頃には、将来も何らかの形でダンスを続けていきたいと思うようになったHazuki。卒業後の進路を考えていた矢先にダンスの専門学校があることを知り、ヒップホップからタップダンスまであらゆるジャンルを授業で学べる尚美ミュージックカレッジに進む。