前編:常日頃の練習で少しずつ信頼を勝ち取ってきただけ より続く
常にどんなポジションでもプレーできるように準備
吉井裕鷹の平均出場時間は10分36秒(※4月20日現在)。15分以上出場する試合もあれば、2分程度のときもある。対戦相手やチームの状況によって役割も変わってくる。「ヘッドコーチの考え方に対して、メンタルやスキルを高めておくことが今は一番重要だと考えています。常にどんなポジションでもプレーできるように準備はしています」と臨機応変に対応できるようにスタンバイしておかねばならない。
メンバーの中で一番大きかった大阪学院大学時代から変わることなく、現在の登録ポジションはスモールフォワード。しかし、現状はインサイドを任される機会の方が多く、外国籍選手とのマッチアップも評価されている。それでも吉井は、「4番ポジション(パワーフォード)でキャリアを終わらせるとは思っていない」と力を込めた。
学生時代からアウトサイドを含めたオールラウンドで活躍し、元々スモールフォワード登録なのだから、その移行は容易ではないかと感じる。しかし、吉井が思い描くプレーヤー像にはまだまだほど遠いようで、「なんとなく外でプレーする程度と、完璧にシューターとなって3番(スモールフォワード)になるのは全然違います」。アルバルク東京でそのポジションを勝ち獲るためには、高い志も必要となる。
「特にこのチームでウイングを任されるためには相当な責任があり、スキルも必要であり、高いレベルが求められます。今は焦らずに、練習を積み重ねていくしかないです」
シーズン中は「自分自身のプレーを全うし続けることにフォーカスしており、それだけで今はいっぱいいっぱいなのが正直なところ」なのは致し方ない。まとまった練習時間が取れるオフシーズンにレベルアップすれば良い。プロ選手にとって『オフシーズン』は休みを意味するのではなく、成長するための大切なオンシーズンでもある。