千葉ジェッツは自分が成長できる最高のチームだと思う

昨年12月、千葉ジェッツと正式なプロ契約を交わした大倉は現在Bリーグの舞台でプレータイムを延ばしつつある。大学２年で初めて練習生として参加したとき、中途半端な選手は絶対試合に出られない厳しいチームだということを知った。「僕はその厳しさに惹かれました。厳しいからこそ成長できると思いました」。先輩ガードを見れば富樫勇樹のスピードと勝負強さ、西村文男の冷静さ、藤永佳昭の周りを鼓舞するエナジーとそれぞれに優れた持ち味がある。「いいものはどんどん吸収していきたいです。自分の強みを挙げるとしたらまずサイズがあること。フィジカルが強いのでペイント内へのアタックも力強く行けますし、キャッチ&シュートもできます。そういうところや試合をクリエイトする力をもっともっと磨いて３人の先輩を超えられるよう頑張りたいです」。直近の目標は千葉のリーグ２連覇に貢献すること。その先には日本代表でプレーする夢もある。「あともう一つ」と付け加えたのは「陸さんに恥じない行動をして陸さんに喜んでもらえるプレーをしたいということです」。聞けば「自分にとって陸さんは公私に渡り尊敬できる神様のような存在」だという。そうか、そうなのか。それでは、最後にその “神様” からのメッセージを伝えておこう。

「颯太はバスケットが大好きだからチームを強くするためには自分の考えをどんどん発信します。思ったことはためらわずはっきり口にするし、納得いかないことはわかるまで聞く。それでも納得いかないことはやりたがらない（笑）。そんな姿を見てやんちゃだとか生意気だとか、そういったイメージを抱く人がいるかもしれませんが、私は全くそう思いません。むしろそれが颯太が颯太たらんとするところであり、私はそこが大好きなんですよ。バスケット選手として秀でたものをたくさん持っていて、上を目指してものすごく努力できる子だから千葉の大野（篤史）ヘッドコーチの下でまた一回り成長してくれると信じています。あと思うのは世界と戦う機会を持てたらいいなあということ。多分彼はそこでたくさんのことを吸収できるはずです。大倉颯太のプレーを見ていると、思わず目を見張るオーラのようなものを感じるじゃないですか。これからもどんどんプレーを磨いて見る人を引き付けてほしいと思います」。

陸さんまでもが触れた “颯太のオーラ”。どうか千葉のコートの上でもそれを感じることができますよう。そして、年を重ねるごとにその光がまぶしいものになりますよう。自分の道をまっすぐ突き進む大倉颯太のこれからに期待は膨らむ。

千葉ジェッツ　#13　大倉颯太
颯太のオーラ
前編：１度好きになったらとことん打ち込む性格
中編：ハドルを組んで指示を出す１年生
後編：復帰４試合目で勝利の立役者となる

文　松原貴実
写真　B.LEAGUE