「阿吽の呼吸のようなプレーが増えてきている」森井健太
レギュラーシーズン60試合でチャンピオンシップ出場権を争うBリーグにおいて、横浜ビー・コルセアーズは前半戦を11勝19敗で折り返した。30試合目で11勝を挙げたのは2016-17シーズン以来であり、Bリーグ以降の横浜にとっては最高勝率タイ記録となる。そのときもチームを率いていたのは青木勇人ヘッドコーチだった。しかし、その後の2017年3月31日に双方合意の上、青木ヘッドコーチの契約が解除され、チームは空中分解してしまう。後半戦は5勝しか挙げられず、残留プレーオフも最後まで抜け出せないまま入替戦までもつれ込む。当時B2だった広島ドラゴンフライズになんとか勝利し、降格は回避できた。しかし、その後もチャンピオンシップ争いに絡むことのない万年Bクラスが続いている。
迎えた後半戦、最初のレバンガ北海道戦で2連勝を飾った。ホームゲームでの同一カード2連戦を勝利で終えたのは、今シーズン初となる。「1ヶ月ぶりにホームへ帰ってきて、本当に勝てて良かった。皆さんと一緒に戦えたことがうれしい」と笑顔でマイクを握る青木ヘッドコーチは、会場へ足を運んだブースターと勝利の喜びを分かち合った。「前半戦でいろんなプロセスを踏みながら、改善に改善を加えてここまで戦ってきた」という青木ヘッドコーチが蒔いた種が、芽を出しはじめている。
32試合を消化した現時点で平均77.4点、それに伴いアシスト数も平均20.8本を記録し、Bリーグにおけるチーム最多を更新中だ。ポイントガードの森井健太は、好調の要因をこのように述べる。
「今シーズンはあまり選手が変わらなかったことで、一人ひとりの良さを分かってきて阿吽の呼吸のようなプレーが増えてきていることが第一にあります。自分としては、アグレッシブにゴールへ向かって行った結果がアシストにつながっており、その良い部分が出てくるとチームとしての怖さが出てくると思います」
同じく、アシストが増えている要因に対して青木ヘッドコーチも、「一人ひとりの選手がしっかりリングを見ている、そしてリングに向かっていること」を挙げ、及第点を与える。河村勇輝が加入した後、アシスト数が増えているのも事実だが、ポイントガードだけではないことを青木ヘッドコーチは強調する。「ウイングの選手もボールピックを使ってペイントに侵入して、スコアまたはエクストラパスを出すことを期待しており、今はその目指すべきバスケットができている。ハンドラーが外国籍選手を見るばかりではなく、自らリングにアタックしていることで必然的にアシストが増えている」という姿は、コート上でしっかり体現されていた。
「ディフェンスの部分は自分たちの強み」森川正明
北海道を67点に抑えて勝利した2月5日の試合後、「ディフェンスの部分は自分たちの強み」と森川正明は明言した。青木ヘッドコーチも「全員が共通意識を持ってポイントを絞りながら守れているときは、しっかりとしたバスケットができている」と話すとともに、課題点にも言及する。
「しかし、まだまだムラがある。この試合ではできているのに違う試合ではできなかったり、試合の入りでは悪かったけど最後になんとか持っていけたり、試合の中でもできている時間帯とできていない時間帯があり、そのムラに関してはまだまだ改善が必要」