刺激し合う特別指定や新卒ルーキーら大学生たち
開幕当初は中野司と寺園脩斗コンビ、または葛原大智が先発を任されていた。1月23日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で葛原が、全治約1ヶ月のケガを負った影響も大きい。横浜戦で松下が抜擢されたように、ここ最近の試合では先発を担うガード陣は区々である。この状況について佐古ヘッドコーチは、「ディフェンスをしっかりできる選手を最初に出していこうと思っている」というコンセプトがあった。横浜に確率良くシュートを決められてしまった部分もあるが、要所では橋本と松下が佐古ヘッドコーチの期待に添うディフェンスを見せる場面も少なからずあった。
粘り強いディフェンスで大学日本一を手にした白鷗大学出身の松下であり、その部分が評価されるのは当然と言える。だが、初戦は19点差で敗れた試合だっただけに、「ディフェンスはまだできている場面が少なく、チーム内のコミュニケーションもうまく取れていなかったです。もっともっと自分からしゃべらなければいけないですし、そこは明日すぐにでも改善できる点なので、チームメイトと話してディフェンス面は改善していきたいです」と反省しきりだった。
佐古ヘッドコーチはベテランもルーキーも遜色なく、「その日のゲームの中で良い選手を、我々ががんばりたい時間帯にコートに立っていてもらいたい」とも話している。その環境の中で松下は、様々なチームの特徴を肌で感じながらもミスを恐れずに思いっきりプレーし、信頼を勝ち取っていくだけである。
対戦した横浜にはキング開と河村勇輝がおり、白鷗大学のチームメイトの小室昂大(京都ハンナリーズ)や角田太輝(佐賀バルーナーズ)、特別指定選手としての活動終了が発表された脇真大(茨城ロボッツ)もプレータイムを得はじめていた。今シーズンは特別指定や新卒ルーキーの大学生たちが活躍しており、松下も仲間たちの活躍に刺激を受ける。
「みんなが試合に出ているので自分も負けていられないです。どのチームが相手でも自分をもっとレベルアップし、成長できるようにがんばりたいです」
インカレMVPが先頭に立ってこの世代を引っ張り、Bリーグを底上げしていくことに期待している。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE