はじめてB1の舞台に立つ福澤は平均11.5点(※1月23日現在)をマークし、B2だった昨シーズンの10.7点より上乗せしている。12月15日のレバンガ北海道戦では30点、前節のアルバルク東京戦は21点など、B1でも戦えることを証明してきた。しかし、広島戦のようにB1の洗礼を受けて、その形を潜めてしまう試合も少なくはない。
「全然得点が獲れなかったり、自分の思ったようなプレーができなかったり、今日のような試合をもっと減らしていかなければならないですし、安定した活躍ができないのは致命的です。相手のディフェンスを見ながらどう攻めれば良いか、もっと楽にボールをまわりに散らすとかもっと良い判断ができるようにしていかなければ簡単に守られてしまいます。全く良いプレーができない試合を、今後は減らしていかなければならないです」
グレスマンヘッドコーチは「危機感の足りなさ」を指摘し、福澤もチームを上向かせるために選手自身が変わらなければならないことは分かっている。
「今どこでやられているか、自分たちのオフェンスのどこが悪いかなどコート内で起きていることを自分たちで理解し、打破していかなければならないです。タイムアウトの数も限られているので、試合に出ている5人がもっと話して改善していかなければなりません。1〜2回連続で同じミスをしたら、その修正点をもっと中にいる選手で話して変えていかないと、今日みたいに何度も同じところでやられて大差で負けてしまいます。そうならないためにも、選手同士でもっと考えていかなければならないです」
B2で勝利を重ね、ファンと喜ぶ機会が多かった昨シーズンとは打って変わり、昇格したB1では苦しい戦いを強いられるのは広島も同じだった。昨シーズンは9勝(46敗)しかできなかったが、今シーズンは見違えるような活躍で西地区4位につけている。それは経験なのか、財力なのか、はたまた違う要因なのか、戦いながら茨城にあったプラスアルファを見つけていくしかない。次戦は、ともに昇格を果たした群馬クレインサンダースとB1での初対戦となる。昨季レギュラーシーズンでは1度も勝てなかった群馬を相手に一矢報いることができれば、ふたたび大反撃の突破口が開くかもしれない。
2連勝に安堵する広島のカイル・ミリングヘッドコーチは、次戦ホームに迎える古巣の横浜ビー・コルセアーズ戦を心待ちにしていた。
「コーチとして日本のキャリアをスタートさせた横浜であり、変わらずにいるスタッフや選手も多く、いろんな話をしたいし、再会が楽しみでしかない。しかし、ゲームがはじまればお互いに激しいバトルになると思うので、集中して勝ちにいきたい」
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE