今シーズンのNBA全ロスター平均年齢は26.1歳(2021年10月現在)。ワシントン・ウイザーズの八村塁は、2月8日に迎える誕生日で24歳となる。勝負どころではベテランの巧みなプレーが光る一方で、鼻息荒い20代前半の選手たちがNBAを勢いづけている。翻って、B1リーグの平均年齢は……ググっても出てこない。泣く泣く手作業で集計した結果、平均28.9歳。NBA平均を下回るのは、横浜ビー・コルセアーズの25.8歳と滋賀レイクスターズの25.1歳の2チームだけだった。
横浜のジェイコブス晶が17歳7ヶ月でB1最年少デビューを果たし、Bユースによる育成が起動に乗りはじめた。それによって、今後はNBA同様に平均年齢が下がっていくかもしれない。まもなくレギュラーシーズンを折り返すBリーグであり、若き逸材が頭角を現しはじめている。25歳以下を対象とし、後半戦へ向けて期待するプレーヤーを独断と偏見で勝手に紹介したい。
※昨年11月のワールドカップ予選で日本代表候補に招集された以下の選手たちは、 すでに認められている存在なので除外する。
今村佳太(琉球ゴールデンキングス)、アキノ マシュー、岡田侑大(ともに信州ブレイブウォリアーズ)、小島エリエット海、モーア ザック(ともに大阪エヴェッサ)、寺嶋良(広島ドラゴンフライズ)、シェーファー アヴィ幸樹、西田優大(ともにシーホース三河)
大学チャンピオン白鷗大学出身の先輩選手たち
今年度のインカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)を制した白鷗大学出身の先輩選手たちにまず注目したい。宇都宮ブレックスのルーキーである荒谷裕秀は、クリスマスゲームの島根スサノオマジック戦ではじめてスタメン起用された。その後のプレータイムは6分程度に減ったが、実戦を通じて着実に経験値を上げている。数字にこそ残らないかもしれないが、後半戦はその存在感を少しずつ示しそうな予感がする。
今シーズン、滋賀レイクスターズから信州ブレイブウォリアーズへ移籍し、出場した全24試合を先発起用されているのは前田怜緒だ。平均25分43秒出場し、8.3点を記録。元日の千葉ジェッツ戦では17点を挙げ、白鷗大学出身らしく身体を張ったディフェンスにも定評がある。3ポイントシュートのアテンプト(63本)を積極的に増やしつつ、確率(30.2%)を上げていけば、さらにおもしろい存在となる。
新潟アルビレックスBBの星野曹樹は昨年11月から9試合連続で先発起用を果たし、ヘッドコーチへの信頼をつかみはじめている。不安定な部分も否めないが、12月26日の滋賀戦では21分間出場し、キャリアハイとなる10点を記録した。前田同様、3ポイントシュートに磨きをかけねばならない課題はあるが、195cmのフォワードが一皮剥けそうな期待感がある。
先輩たちに続き、初の日本一に輝いた松下裕汰(レバンガ北海道)、小室昂大(京都ハンナリーズ)、脇真大(2年/茨城ロボッツ)が特別指定選手として新天地へ散らばった。チームの歯車として活躍するまでには、まだまだ時間がかかるかもしれない。しかし、しっかりとした基本を備えた白鷗大学の選手たちであり、大きく羽ばたく日を心待ちにしたい。