上昇のカギを握る若きポイントガードたち
東地区首位のファイティングイーグルス名古屋が、5勝1敗で勝率トップに立つ。続く4勝2敗のチームは6チームを数え、B2は混戦状態となっている。その中において、唯一未勝利なのがアースフレンズ東京Zだ。東地区2位の仙台89ERS(4勝2敗)との2戦目は、64-82で敗れて6連敗。しかし、点差ほど戦えていなかったわけではない。
「相手を迷わせるために2-3ゾーンやトライアングル2などいろんなディフェンスや戦術を試した」ウーゴ・ロペスヘッドコーチは、40分間ほぼゾーンディフェンスで対抗する。前半は、仙台に確率良く3ポイントシュートを決められ、点差が開いていった。しかし後半は、ゾーンディフェンスをベースとしながら、要所でフルコートプレスにしたことで流れを呼び込む。二桁あった点差は、髙木慎哉の3ポイントシュートなどで4点まで縮めた。「第4クォーターは相手にシュートを決められ、自分たちのテンポを作れずに18点差をつけられてしまった」とロペスヘッドコーチが言うように、最後は力尽きてしまった。「残念ながら初勝利とはならなかったが、選手たちは戦い抜く姿勢や成長するための意欲を示してくれており、彼らを称えたい」と前向きに語る。
今シーズンの東京Zは、平均年齢24.9歳と群を抜いて若いチームである。特にチームの司令塔となるポイントガード陣は4年目の久岡幸太郎、3年目の栗原翼はともに24歳(※久岡は早生まれのため年明けに25歳となる)。マーク・バートンとアジア枠(フィリピン)のホアンゴメス・デ・リアノはいずれもルーキーだ。最初の4試合はバートンが先発を担ったが、仙台戦の初戦はゴメス、2戦目は栗原を起用した。若き司令塔たちに対し、「先発を勝ち獲る権利は全員にある。今はまだお互いのプレースタイルを知ろうとしている段階であり、まだまだ成長しなければならない」というロペスヘッドコーチは積極的にプレータイムを与えている。
仙台戦で先発を外されたバートンだが、「プロとしてそこもアジャストしなければいけない」と前を向く。仙台の戦い方に触れ、「お互いの強みを生かして勝利につなげるチームであり、その姿は非常に勉強になった」と経験値を上げた。チームメイトであり、ポジションを争うライバルに対し、「若い選手同士というのは時に、摩擦が起きやすい場合もあるが、僕らはそれが全くない。お互いに切磋琢磨することをみんなが大切に思っていることが、この4人のストロングポイント」というバートンら若きポイントガード陣の成長がカギを握る。
ロペスヘッドコーチは「バートンのオフェンスは驚異的」と評価する一方で、「今はコントロールするポイントガードの役割を身につけさせるためにプレータイムを与えている」。先発で起用されていた試合は、ターンオーバーこそ2〜3本ではあったが、コントロールしきれない場面も見られた。仙台との2戦目はシューティングガードでも起用し、2ガードにしたことでターンオーバーをゼロに抑えている。しかし、今シーズン初となる無得点に終わり、ボールを触る機会も減ってしまった。