「チームの完成度はかなり低く、まだまだ50%以下」岡田優介
クラブ新設時はお金が集まるものであり、資金がなければはじまらない。スタートアップだからこそ、その勢いに乗って底辺から抜け出す最大のチャンスでもある。B3に新規参入したアルティーリ千葉が、千葉ポートアリーナでのホーム開幕戦を迎えた。光・音・映像を駆使し、B1クラブと遜色ない演出で盛り上げる。昨シーズンのB3王者アイシンアレイオンズを相手に2連勝を飾り、満員の観客やステークホルダーに最高のお披露目ができた。
アイシンの廣瀬慶介ヘッドコーチ曰く、「今シーズンは本気で勝ちに来る新興勢力が増えた」と感じている。A千葉の印象について、「リクルート段階からチームの方針が明確だな、とすごく感じます。シューターやガード陣は役割が徹底しており、3人のビッグマンはいずれもパスがある。素晴らしいチーム構成だと正直感じます。錚々たるメンバーが揃っていますし、手強い相手です」と述べ、2戦目は59-82と大敗を喫した。
負けなしの4連勝、天皇杯でも2次ラウンドを突破し、10月31日(日)にはB1のアルバルク東京に挑む。好発進したA千葉だが、「チームの完成度はかなり低く、まだまだ50%以下」と岡田優介が言うのが現状だ。イバン・ラベネルは開幕直前に合流し、天皇杯も含めた約10日間で5試合を戦う中、「全員で練習できたのもまだ4日しかない」とアンドレ・レマニスヘッドコーチは明かす。満員の観客に向かい、岡田は「一人ひとりが持つ力は本当に素晴らしいメンバーが集まっていますので、チームとして噛み合ったときにはどんな相手にも負けないチームになると思っています。ぜひ期待していてください」と宣言。レマニスヘッドコーチも、練習できない中でも全て勝つことができたことをポジティブに捉えるとともに、「まだまだ伸びる余地がたくさんある」とこれからが楽しみである。
「日々、自分自身のベストを出すことにフォーカス」アンドレ・レマニスヘッドコーチ
目標は1年毎に最短でB1へ昇格し、5年後の日本一を掲げた。11人中9人のB1経験者を擁し、逆にB3での戦いはいずれもはじめてである。プレーオフ無きB3ゆえに、どんな状況でも勝ち進まなければならない。上を見据えるA千葉だが、現時点においてレマニスヘッドコーチはどのレベルをスタンダードとしながらチームを強化しているのだろうか?
「もちろん、B1レベルを見据えて強化している。それはバスケだけではなく、環境や試合に臨むための準備、食事や睡眠などのリカバリーなど全てにおいてB1の基準を求めてスタートした。B3優勝が目の前の目標ではあるが、それ以上に大事になるのが昨日よりも今日、今日よりも明日の成長を求め、1日1日積み上げて行くことである。そのためにも日々、自分自身のベストを出すことにフォーカスしている。今日この時点で、B3優勝は成し得ないし、自分たちでコントロールできることでもない。まずは、自分たちができる昨日よりも今日は少しでも良いプレーをし、成長していくことが大事である。これからの道のりは、必ずしもうまくいくわけではなく、アップダウンがあるものだ。ダウンしたときにチームがどういう状態になるのか、それが最終的なチーム像として現れてくる。全員でどう乗り越えるかが今後の課題である」