チームコンセプトに理解した上で、スキルに特化した強化
スキルコーチと聞いて、どんなイメージをするだろうか?
例えば、2つのボールを用いてドリブルしたり、ブロックをかいくぐってバックシュートに行ったり、バスケの技術に特化したコーチを思い浮かべる方も少なくはないはずだ。しかし、それはスキルではなく、テクニックと言える。アルバルク東京に新たなスキルコーチとして加入した田中亮コーチは、その役割について分かりやすく説明してくれた。
「チームのオフェンスとディフェンスを理解した上で、コーチングをしなければいけない立場です。例えば、あるオフェンスに対し、チームとしてうまく遂行させるためにもドリブルやステップワーク、シュートなどの技術が必要になります。自分が知り得る限りの知識から必要な要素を引き出して、そのオフェンスに対してスキルに特化して強化させるワークアウトを考え、そして教える仕事です」
チームコンセプトに沿った上でのスキルを、チームに対してコーチングすることであり、一方のテクニックは「個人向けに、誰に対しても同じく高い技術を教えること」とは分かりやすい。試合中における様々な状況を想定し、バスケを熟知していなければ務まらない仕事でもある。スキルコーチは、選手たちが成長するきっかけを与えている。
「ディフェンスの位置を確認し、そこを打開するために自分の身体がどの角度で入っていき、どういうプレーをしなければいけないか。そういう部分を細かく教えていくのがスキルコーチです。コート上での状況が把握できた上で、それぞれの選手に合ったスキルワークアウトを構築します。そのためにも、スキルとバスケの両面を勉強する必要があり、それを理解していなければ選手の成長にもつなげられません」
A東京ではルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(以下ルカヘッドコーチ)を筆頭に、「たくさんのコーチ陣がおり、その分たくさん学ぶチャンスがあります」と話す田中コーチは新天地であり、出身地でもある東京で充実した日々をスタートさせた。