「リサイクル素材が使われているのが分からないくらい好きな生地」前田悟
川崎の勝負着であるユニフォームをはじめとしたウェアを、長年に渡ってスポンサードしてきたアシックスもまた、長年に渡ってSDGsに取り組むリーディングカンパニーである。昨年9月から&ONEプロジェクトはスタートしたが、「実はその前から何かできないか」とアシックスとのディスカッションを重ねてきたことを川崎の元沢伸夫代表取締役は明かす。そして発表されたのが、『リサイクル素材を用いた新シューティングシャツ』だ。これはアシックスがウェア提供する国内におけるスポーツプロクラブとして初の試みである。
見た目はなんら変わらない。実際に袖を通した前田の感想は、「リサイクル素材が使われているのが分からないくらい好きな生地で動きやすそう」。しかし、その開発に対し、元沢代表取締役は簡単ではなかった2つの理由を挙げた。1つ目は、「ペットボトル由来のリサイクルポリエステル糸でウェアを作るのは高い技術が必要」である。その使用率14%にも秘密があるのが2つ目だ。「スポーツウェアゆえにその機能性を損なわず、環境に作用するには簡単なようでこれが難しい。最適な配合を研究した上での14%」に達し、1年以上の研究を重ねてようやく実現化された。
シューティングシャツとともに、オフコートで着用するスウェットも同じくサステナブル素材を使用している。今後もアシックスとともに、「ウェアに限定することなくSDGsに関する取り組みを行っていきたい」と元沢代表取締役は意欲的だ。
「SDGsの先駆者的な取り組みとしては、国内の第1集団に入っている手応えは感じています」と元沢代表取締役が言うように、率先して取り組んでいる。クラブへの支援とは別に、&ONEプロジェクトへのスポンサードも増えており、「クラブ単体ではできなかった取り組みを、多くのステークホルダーの協力を得て、多くのことができはじめている」と続け、ホームタウンを豊かにする活動は活性化していく。
この発表とともに、新シーズンで着用する新たなアシックス製ユニフォームもお披露目された。「クラシカルでシンプルなイメージだが、近くで見ると切り返しの部分など細かい色の変化があってオシャレ」と篠山は感想を述べた。そのこだわり抜いた細部のデザインは、「もしかすると会場で遠くから見たり、映像では伝わらないかもしれない」と心配する。そんな方へ向けて、「ぜひオーセンティックを購入して欲しい。そして、細かいところを感じて欲しい」と篠山は仰っている。
選手が着用するのと同じ生地、デザインとなるオーセンティックユニフォームは38,000円(税込)で受注販売開始。お求めやすいレプリカユニフォームは6,900円、キッズサイズは3,900円(ともに税込)も合わせて販売され、8月31日までに注文すれば9月中旬に配送され、10月2日にホームで行われる開幕戦に間に合う。
文・写真 泉誠一