B2プレーオフ準々決勝、第3戦にもつれ混みながらも西地区2位のファイティングイーグルス名古屋を破った東地区3位(全体5位)の越谷アルファーズ。同じく準々決勝で西地区1位の西宮ストークスをスウィープし、台風の目となった東地区4位(ワイルドカード/全体7位)の仙台89ERS。いずれも準決勝で敗れたが、アップセットしてB2プレーオフを沸かせた両雄が3位決定戦に臨んだ。
第1戦は73-74でアウェーの仙台が先手を取る。続く第2戦は72-61で越谷が勝利し、1勝1敗。迎えた第3戦、第1クォーターに19点ランで13-24と仙台がリードを奪う。右アキレス腱断裂によりルブライアン ・ナッシュを欠く仙台は、外国籍選手が2人しかいない状況が続いていた。それでもリバウンドで圧倒し、 28-41と13点差をつけて前半を折り返す。しかし後半、越谷はアイザック・バッツがインサイドを制し、逆転に成功すると点差が離れていく。66-54でホームの越谷が勝利し、B2昇格2年目にして3位の成績を収めた。
この両チームを破り、B2ファイナルに進んだ群馬クレインサンダーズ(東地区1位)vs 茨城ロボッツ(同2位)も1勝1敗。今夜(5月24日19:00)決着をつける第3戦が行われ、B2チャンピオンが決まる。
仙台89ERS「ディフェンスを徹底して戦ってくれた」
「気持ちが入って、みんなでハードワークをして、インサイドもチームで足を使って守ってくれた」と仙台の桶谷大ヘッドコーチは、前半の戦いぶりを振り返る。逆転された第3クォーターは、「やっぱり…3戦目というのもあったのかもしれない。ファウルもできずにイージーレイアップを決められ、オフェンスの終わり方も今日はよくなかった」と疲れが見られ、越谷に流れを持っていかれてしまった。
シーズン平均失点が75.4点の仙台はB2トップの少なさであり、桶谷ヘッドコーチも「ディフェンスのチーム」と明言する。準決勝第2戦の茨城ロボッツ戦のみ81点を許したが、それ以外は70点台以下に抑えている。敗れたラストゲームも66点に抑え、「ディフェンスを徹底して戦ってくれた選手たちを労いたい。仙台らしい試合を見せてくれた」と胸を張った。
ディフェンスは及第点であり、外国籍選手が一人足りない中でもリバウンド数は西宮戦も茨城戦も僅差、最後の越谷戦は3試合とも上回っている。Bリーグや日本代表の戦いでも、ディフェンスやリバウンドで身長差に対抗できる力は示している。しかし、日本人Bリーガーの得点力やゴールに向かうプレーが少ない。仙台でもその課題が如実に現れたが、桶谷ヘッドコーチも策は練っていた。
「(197cmのチャールズ)ヒンクル選手をインサイドに入れて、そこを突いていくように指示はしたが、なかなかそのプレーが見られなかった。また、越谷のガード陣はすごく良いプレッシャーをかけてきたが、ビッグマンがかなり下がっていた。そこでミドルジャンパーを打っていたが決め切れなかった。あとはオーバーヘルプディフェンスになったときに、今日は良いパスが出せなかったことも良いシュートにつながらなかった」
裏を返せば、仙台はディフェンスのチームであり、「ハードに足を使ってディフェンスしていたこともオフェンスに影響し、精彩を欠いてしまったとも言える」。シーズン平均11.2点の笹倉怜寿だが、この日は13本のシュートを放ち1本しか決められなかった。2017-18シーズンにB2へ降格した仙台だが、プレーオフに勝ち残ったのは4年目にしてはじめてのことである。昨シーズンは東地区1位だったが、シーズンが途中で終わってしまった。