仕事をさせなかった佐藤だが、「コンテストしてもシュートを決める素晴らしい選手」と金丸の勝負強さを目の当たりにする。第4クォーターはベンチに追いやる好ディフェンスだったが、「明日の金丸さんはもっと決めてきそうなので、こちらももっと気を引き締めていかなければいけないというのが正直な気持ちです」と話すとおり、2勝しなければチャンピオンシップの本当の勝利はつかめない。
佐藤自身にとっては、これが初のチャンピオンシップとなる。千葉に移籍し、これまで積み重ねてきたディフェンスだけではなく、「常にリングを見ることで、JD(ジョシュ・ダンカン)やセバス(チャン・サイズ)のプレーも見えるようになります。チャンピオンシップではシュートにつながらなくても、強気の姿勢を見せていきたい」とプラスアルファの活躍が勝利のカギを握る。
真剣勝負の中でも成長が見られたシェーファー アヴィ幸樹
敗れた三河だが、「前回の千葉戦よりも彼だけは良かった」と鈴木ヘッドコーチが評価したのは、シェーファーである。シェーファー自身も「シーズン後半に向かってプレータイムが増え、調子が上がっています。オフェンスではアグレッシブに、特に千葉戦では自分にできるディフェンスリバウンドを意識してチャンピオンシップに臨みました」という言葉通り、11点・8リバウンドを記録した。シェーファーが本格的にバスケをはじめたのは高校2年の時。「発展途上であり、今シーズン非常に伸びた選手。リーグトップクラス(リーグ2位/平均11.7本)のリバウンダーであり、手が長いサイズ選手に対して、対抗できた時間もあった」と鈴木ヘッドコーチは話すとともに、この真剣勝負の中でも成長が見られている。
第2クォーターの10分間だけだったが、千葉を上回ったことに対し「自分たちでもできないことはない」というシェーファーはポジティブな部分を強調する。「自分たちにできることをひとつずつしっかり出し、まず1勝をもぎ取りたい」と上を向いた。根来はコートに向かって檄を飛ばし、ウィティングトンもベンチに下がる選手を立ち上がって迎え、チーム一丸で戦っていた三河はまだまだ諦めていない。運命の第2戦は5月16日(日)15:05よりテイクオフ。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE