千葉の得意なプレーを全部やられて完敗
ともに平均29歳の千葉ジェッツ(東地区2位)vs シーホース三河(西地区3位)。チャンピオンシップ準々決勝と同じく、船橋アリーナで対戦した今シーズンの戦績は1勝1敗。新型コロナウイルスの陽性反応者が出た両チームは、5月に入ってから5試合を戦い抜いてきた。異なる点は、12人全員を起用した千葉に対し、三河はシェーン・ウィティングトンと根來新之助をケガで欠く中で、負けられない戦いを迎えた。
富樫勇樹の3ポイントシュートで先制し、手薄な三河のインサイドを突いたジョシュ・ダンカンが早くも10点に乗せた千葉が28-16とし、第1クォーターから流れをつかむ。千葉の激しいディフェンスに対し、タフショットとなる場面も多かった三河だが、それでもネットを揺らし16点を上げたオフェンス力はさすがである。続く第2クォーター、ディフェンスから立て直した三河が巻き返す。千葉のファストブレイクを警戒し、早めにディフェンスに戻るように修正する。リバウンドでは、「1on1ではなくチームで獲りに行くことを意識した」というシェーファー アヴィ幸樹は体を張った。「ディフェンスもオフェンスも第2クォーターが一番良かった」と鈴木貴美一ヘッドコーチは評価し、この10分間だけは23-18で三河が上回った。46-39、千葉が7点リードをして折り返す。
しかし、選手層の厚さやインサイドの高さが、後半の三河に襲いかかる。「途中まではついていけたが、段々とエナジーが足りなくなった」と鈴木ヘッドコーチは言うように、一気に引き放されてしまった。三河のインサイドに対し、ディフェンスで千葉が凌駕する。リバウンド数は46-26で圧倒し、どんどん走ってファストブレイクから21点を上げた。三河がインサイドを固めれば、スペースを広く使って射抜いた3ポイントシュートは11本。「千葉の得意なプレーを全部やられた」という鈴木ヘッドコーチは完敗を認めた。105-76で千葉が勝利し、白星スタートを切った。
初のチャンピオンシップで発揮した佐藤卓磨のディフェンス力
シーズン平均19.9点のダバンテ・ガードナー、同16.8点の金丸晃輔だったが、第1戦はガードナー12点、金丸11点に抑えられている。金丸にマッチアップしたのは、佐藤卓磨や原修太だ。その二人に対し、鈴木ヘッドコーチは「リーグトップクラスのディフェンス力」と認める。第4クォーター、ベンチに座ったままで終わった金丸は、「いつもはシンプルにシュートを打てるケースが多いが、今日は相手がひとつのプレーでシュートに持って行かせないディフェンスをしてきました。ヘルプが来たときにドライブなど違う選択肢をしなければいけなかったが、うまく行かなかったです」と反省点を挙げ、3ポイントシュートは1本に抑えられた。最後の10分間をベンチで過ごしたことで、「チームとしてはディフェンスの戻りを早くして、インサイドが手薄だからこそ全員でリバウンドを獲りに行くことを徹底しなければいけない」という課題が見えている。