アグレッシブにアタックし、勝利に導いたLJ・ピーク
2年ぶりにBリーグ チャンピオンシップがはじまった。東地区1位、リーグNo.1勝率(81.7%)の宇都宮ブレックスが、ワイルドカード下位(東地区5位)のサンロッカーズ渋谷をホームに迎えた準々決勝・第1戦。今シーズンの戦績どおり、92-84で宇都宮が先手を取った。
帰化枠であり、東京オリンピックへ向けた日本代表候補に選出されたライアン・ロシターを擁する宇都宮に対し、SR渋谷が警戒すべきはスモールフォワードのLJ・ピークだった。「チームを勢いづけるためにもアグレッシブに行った」というピークが先制し、次々とゴールを奪ってゲームハイとなる28点を決めた。対するSR渋谷は広瀬健太、関野剛平、石井講祐らが代わる代わるマークにつく。伊佐勉ヘッドコーチは、「指示通りにボールプレッシャーをかけていたが、サイズと体の幅の差で半分でも抜かれてしまうとそのまま押し込まれてしまった」と話し、ピークに対するディフェンスの改善点が課題として残る。
後半はSR渋谷らしい戦いを取り戻して巻き返した。安齋竜三ヘッドコーチは「SR渋谷のディフェンスの強度が上がり、我々の共通認識があまり取れないオフェンスになってターンオーバーが増えた」と振り返る。ターンオーバーからの失点は19点を数え。そのほとんどが後半に許している。残り1分、81-73。8点を追うSR渋谷が終盤に集中力をさらに増した。
一度ベンチに下がった山内盛久が、残り34秒でふたたびコートに戻ってくると深い位置からの3ポイントシュートをねじ込み、85-81と4点差に迫る。ファウルで時間を止め、フリースローで追加点を上げる宇都宮に対し、残り10.2秒ふたたび山内が3ポイントシュートを決め、88-84。その後のディフェンスで比江島慎にプレッシャーをかけた山内がボールを奪う。しかし、後ろから挟みに行ったベンドラメ礼生が惜しくもファウルを取られてしまった。残り6秒、三度目に放った山内の3ポイントシュートは外れ、92-84で試合終了となる。
シーズン中の安齋ヘッドコーチはチームを成熟させることに注力し、勝っても負けても苦言を呈することもあった。しかし、チャンピオンシップは違う。
「勝つことしか重要ではないし、勝ったことが一番良かった」