ジャンボくんからのLINEで知った記録達成間近の状況
この試合で原修太は、リーグ通算1000得点の記録を達成した。狙っていたかと聞けば、「昨日、ジャンボから珍しくLINEが来て、そのことを知りました。なので、意識したわけではないし、狙えるような選手ではないです」と明かす。その原因として、「本当に疲れていて、シュートタッチもここ数試合は良くなかった」と吐露する。5月5日は沖縄で、5月8日は秋田でのアウェーゲームで移動が続き、疲弊しきっていたのも無理はない。その中でも9連勝できた要因を挙げてくれた。
「ここ数試合はリバウンドやインサイドが支配でき、自分の出番があまりなかったです。それはチームにとってはすごく良いことで、ここ数年ジェッツはリバウンドが強いというイメージがなかったです。でも、今シーズンは(佐藤)卓磨やセバス(チャン・サイズ)が加わり、リバウンドが強くなったことでインサイドを制することができています。それで、今日は自分の得点も伸びたのかな…ということにしておきます」
過密スケジュールを戦い抜いた原は、「やっと次の試合まで4日間空くので、明日はゆっくり休みます。その後も3日間もチーム練習ができます。コロナになってからの1ヶ月間は本当にタフなスケジュールをこなしてきました。チームとしての課題や強みを生かすためにしっかり修正し、毎年言っていることだが、Bリーグ制覇に向かってがんばります」と束の間のリフレッシュを堪能し、新たなる戦いの舞台に戻ってくる。
過密スケジュールが一番好き!?
一方で、この過密スケジュールが「一番好き」と水を得た魚の如く元気なのが富樫勇樹だ。その理由は、試合後は休みになり、すぐにやってくる試合前日練習も必然的に軽くなる。「練習をしたくないので、自分にとってはうれしい」と無邪気な笑顔を見せた。練習も大切だが、試合でしか得られない経験も多い。「スケジュール的にはタフだと思うかもしれませんが、選手全員がそれ以上にプラスになっていると感じています。このようなシーズンの終わり方で自信を持つことができました」と続け、9連勝できたからこそ最後の最後で強い千葉が戻ってきた。
東地区2位を死守し、チャンピオンシップ準々決勝は西地区3位のシーホース三河をホームに迎える。大野ヘッドコーチは、「これまでの結果は全てゼロになり、8チームの全てにチャンスがある」と気を引き締める。雰囲気の一変する新たなる戦いへ向け、「スイッチを上げなければいけない部分もあるが、9連勝した勢いのまま迎えたい気持ちもあります。最大限の準備をして試合に臨めるようにしたいです」という富樫キャプテンはもう一度チームをまとめて、初の頂点へ向かって加速していく。
[Bリーグ・チャンピオンシップ準々決勝]
宇都宮ブレックス(東地区1位)vs サンロッカーズ渋谷(東地区5位・ワイルドカード)
大阪エヴェッサ(西地区2位)vs 川崎ブレイブサンダース(東地区3位)
千葉ジェッツ(東地区2位)vs シーホース三河(西地区3位)
琉球ゴールデンキングス(西地区1位)vs 富山グラウジーズ(東地区4位・ワイルドカード)
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE