良い時と悪い時の差が激しく安定性を欠いた今シーズン
過去4シーズンはいずれも7割を超える高勝率で、必ずチャンピオンシップに出場してきた。2017-18シーズンから2連覇を果たしたチャンピオン、アルバルク東京。しかし、今シーズンは勝率57.1%(32勝24敗)で東地区6位、リーグ全体9位に終わり、チャンピオンシップ進出を逃した。
新型コロナウイルス感染症陽性判定が出たため、5月7日の新潟アルビレックスBB戦は中止となり、無観客試合で行われたホーム最終戦がそのままラストゲームになってしまった。水野宏太トップアシスタントヘッドコーチは、志半ばに終わった今シーズンをこのように振り返る。
「コロナの状況により選手全員の集合に時間がかかり、なかなか準備することができなかった。ルカ(パヴィチェヴィッチ)ヘッドコーチは、プレーシーズン中にどれだけハードに準備してシーズンに臨めるかということを一番大切にしている。それができなかったことが、チームとしてひとつ足りなかった点だが、世界の現状を考えればそれは致し方ないところでもある。その中でも良い時と悪い時の差が激しかったことが、今シーズンの安定性を欠いてしまった。チームづくりの中で安定性をどう高めていけるかを精査し、来シーズンへ向けてつなげていく必要がある」
キャプテンの安藤誓哉は、「自分たちの実力が足りなかったことを受け止めるしかない」と足元を見つめる。これまでは必ずチャンピオンシップへ出場してきたA東京にとって、その道が絶たれた消化試合はどこにモチベーションを置けば良いかさえ分からなかった。ラストゲームの横浜ビー・コルセアーズに敗れ、連敗のまま悔やまれる幕引きとなった。
足りなかった”アルバルクらしさ”
正中岳城が引退し、デション・トーマスが新たにやってきたA東京だが、昨シーズンと比べてメンバーはほぼ変わりない。それにも関わらず、最大の武器である攻守に渡る連動性が足りなかった。コロナ禍により準備が遅れ、シーズン中はケガ人も多かったことが響いたのは不運だったが、それだけではないはずだ。安藤は「相手がいろんなディフェンスを仕掛けてくる中で、自分たちのインスピレーションをもっと出していかなければいけなかった。もっとスマートに対応しなければいけなった。そこだと思います」と反省点を挙げた。