── 今年は1年遅れのオリンピックイヤーということで、世界と戦える日本の姿を見たいというファンも多いと思います。そこでリバウンドの話に戻りますが、竹内選手から見て日本のリバウンドの精度は上がっていると思いますか?
上がっていると思います。それとは別の話になるかもしれませんが、今は世界のバスケットの主流が3ポイントシュートになっているのでリングの近くに落ちるリバウンドよりロングリバウンドが増えている傾向にあります。フリースローライン付近に落ちるボールが多くなったのは確かですし、前みたいにすぐリバウンドシュートに行かれる回数は減っていると思います。このあいだ渡邊雄太(トロント・ラプターズ)と話していたら、NBAではあんまりオフェンスリバウンドに行くなと言われてると聞いてびっくりしました。もし取れなかった場合アウトナンバーを作られて3ポイントシュートを打たれるというデータが多くなっているのが理由らしいですが、それを聞きながら世界のバスケットは変わってきてるんだなあと思いましたね。どの程度かはわかりませんが、昔と比べたらインサイドで(外国人選手と)とガチガチにリバウンドを争うことは減るかもしれないし、そうなれば日本も多少は戦い易くなるかもしれません。バスケットが変化すればリバウンドも変化するということですね。
── では最後にこれからの目標となるものを教えてください。東地区トップでチャンピオンシップ進出を決めた宇都宮が優勝を目指すのは当然のことですが、それとは別に竹内さんが個人的に目指していることはありますか?
僕は自分にとって今年は集大成の年だと思っているんですよ。まだオリンピックが本当に開催されるかどうかはわかりませんし、その前に自分が代表メンバーに残れるかどうかもわかりませんが、36歳の自分に時間が少ないのは確かです。だから、もしオリンピックに出られる機会を得られたら日本もここまで戦えるんだというのを見せたいと思っています。
一緒のグループのスペインにはNBA選手も多いし、日本が目指すバスケットスタイルと言えるアルゼンチンも強豪チームだし、勝つのは難しいかもしれませんけど、一昨年は勝てないだろうと言われていた格上のドイツにも勝ったわけだし、可能性がゼロだとは思わず挑戦したいですね。ある意味日本代表の集大成でもあるので、見ている人に感動を与えられるチームになりたいです。ほんと、まだ何も決まってないですけど、今はそれぐらいの気持ちでいます。もちろんリバウンドも負けるつもりはないですよ。
宇都宮ブレックス #10 竹内公輔
リバウンドは1対1でやるものじゃない
前編 1対1で競り勝とうという考えは捨てました。
後編 世界のバスケットが変化すればリバウンドも変化する
文 松原貴実
写真 B.LEAGUE