宇都宮ブレックスに移籍して5年目となる竹内はチームの強みについて『遂行力』を挙げた。「チームで決めたことを共通理解して全員でやり遂げる力はリーグで1番だと思っています」。続いて自身の強みを尋ねると「僕は器用な選手ではないんですけど」と前置きした上で「コーチが求めていること、たとえば今どう動いてほしいとか、そういうことは常に考えてプレーできるようになっているかなとは思います」と控え目な言葉を返した。だが、リーグのレギュレーションを含め様々に変化する状況の中でその都度求められるものを理解し、応えていくのは容易いことではない。それができるのは竹内の豊かな経験値に裏付けされた選手としての度量と言えるだろう。リバウンドもまた然り。「1対1ではなくチームで取るもの」という竹内の言葉にはこれまでの経験が導き出したベテランならではの重みが感じられた。
世界のバスケットが変化すればリバウンドも変化する
── リバウンドに競り勝つためには高さ、パワー、ポジション取りの上手さなどいろいろな条件があると思いますが、中にはサイズがなくても「リバウンドが強い」と言われる選手がいます。それはやはりその選手の持つ『感覚』が優れているということでしょうか?
そう思いますね。ボールが落ちてくる場所を予測してもその確率は低いと言いましたが、サンロッカーズ渋谷の石井(講祐)選手を見ていると予測する感覚に長けているなあと思います。あとは女子の吉田(亜沙美・元JX-ENEOSサンフラワーズ)さん。彼女のリバウンドへの飛び込みはすごかったですけど、おそらくほぼ感覚だけでやっていたんじゃないでしょうか。その感覚が際立っていたというか、ガードポジションの選手があそこまでリバウンドを取れるというのは本当にすごいことです。
── そんな中で竹内さんは長きに渡ってゴール下の役割を担ってきました。サイズ、スキル、感覚を持って貢献してきたというプライドがあるのでは?
プライドというか、36歳になった今も肉体的に衰えたという感覚はそれほどないですし、若い選手には負けたくないという気持ちは常にあります。今シーズンのBリーグは外国籍選手が3人ベンチに入ることができて、コートには2人、帰化選手を含めると3人のビッグマンが揃うという場面も珍しくなくなりました。当然日本人ビッグマンのプレータイムは減少することになりますが、どんな短い時間でもコートに出た以上きっちり自分の仕事をするのはあたりまえのことです。外国籍選手と交代する場合でも「竹内なら大丈夫」と安心してコートに送り出せる選手でいたいと思っています。コーチにもチームメイトにも信頼される存在でありたいですね。