── ウインターカップでは1試合79点を挙げた記録を作り、拓殖大学もオフェンシブなチームであり、もともとシューティングガードでした。その後、トップリーグで活躍するためにポイントガードに取り組み、川崎で多くのことを学びながらプレースタイルも変化させてきましたが、ご自身の成長はどう感じていますか?
いろんな経験をさせてもらってきました。これまでは伝統ある東芝から継承してきたディフェンスシステムでしたが、昨今はそのスタイルも変わってきています。昨シーズンからジェフさん(勝久ジェフリー)とケンさん(穂坂健祐)という他チームのヘッドコーチを経験してきた二人のアシスタントコーチが加わったことも大きいです。新しいことにもチャレンジしており、僕自身も新鮮な気持ちで、本当に楽しみながらプレーできています。さらに、プレータイムも20分ほどもらえるようになり、いろんなチームと対戦しながら、成長できたことを特定できないほど本当にいろんな経験をさせてもらっています。
── もしも、オフェンシブなチームに行っていたら、学生時代のままスタッツ面でも活躍できたのではないかと思ってしまいます。でも、藤井選手自身はスタッツを気にしていないですよね?
そんなに気にはしていないですが、唯一、最近はフリースローが落ち始めていることだけは気にしています。本来は無意識にしていた方が入るんですが。
── なるほど、数字は追いかけない方が良いわけですね(笑)?
そうですね。数字を見るのは楽しいですけどね。自分のではなく、いろんなチームのデータを見るのは好きです。
── スタッツを話題にしたのは、もともと得点力があり、頼もしいチームメイトがいるのでアシストも計算できる。あとはリバウンドさえ意識してもらえれば、和製ウエストブルック(ワシントン・ウィザーズ/今シーズンすでに24回のトリプルダブルを記録 ※4月15日現在)も狙えるのではないかと思ったからです(笑)。
そうですね。この前、レイアップをエアボールしてしまったのは一緒ですしね(笑)。
アシストはチームメイトが決めてくれるので自信はありますが、リバウンドは1試合で10本取るのは正直難しいです。全部のオフェンスリバウンドに飛び込んで良いとなり、ディフェンスを多少さぼってビッグマンにボックスアウトなど行かずに、ボールに飛び込んで良いと言われたら行けるかもしれないですけど…。でも、チームルールがあってこそなので、リバウンドに関しては、その試合で毎回自分のところに落ちてくるような奇跡が起きないと10本は届かないかなと思います。
── ビッグラインナップを武器に、チームでしっかりリバウンドを取って、そこから最高のオフェンスにつなげることがまずは第一ですね。
今はリバウンドで負けないと思っていますし、2mを越える選手が3人もいれば強いですよ。あとは、遠くに行ったボールやチップしたボールに対し、ルーズボールをアウトサイドプレーヤーがどれだけカバーできるか次第です。そこをしっかりできれば、リバウンドはものすごく強いという自信はあります。
川崎ブレイブサンダース #0 藤井祐眞
ディフェンスの要、オフェンスの起点
前編 ビッグラインナップのときはリバウンドが僕らの強みになる
後編 泥臭くプレーすることがチームのためになる
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE