── 確かに『たとえ自分が取れなくても相手には取らせない』というような気迫を感じますね。
中山 そうなんです。『自分が取れなくても相手には取らせない』というのは僕自身も思っていることで、実際相手の外国籍選手と争って自分が取れることは少ないんですけど、取れないと思ったら体を張って相手に取らせない。常にそういう意識を持ってプレーしています。
── リバウンドを取ったとき、快感はありますか?
中山 あります、あります。すごくあります。特に競り合ってる場面で上から取れたときなんかめちゃめちゃ気持ちいいです(笑)。それと自分みたいな小さい選手がゴール下で競り勝てるってことはリバウンドは身長だけじゃないという証明になるじゃないですか。それも自分にとってうれしいことの1つです。
── 先ほど中山さんは「自分は上手い選手だと思っていない」とおっしゃいました。その気持ちは秋田の主力となった今でも変わっていませんか?
中山 変わってないですね。もともと僕は東海大に入るときも(大学側から)誘われて入ったわけじゃないんです。付属高校(東海大相模)だったから入れた選手。同期でいえば東海大四(東海大札幌)から入った関野(剛平・サンロッカーズ渋谷)も同じですね。付属から来た選手は最初の2ケ月はAチームにいて、その後Bチームに振り分けられることもあると聞いていました。自分もBチームに落ちるのかなあ、そしたらまた頑張ってAチームに返り咲きたいなあと、最初はそれぐらいの気持ちだったような気がします。
── 途中でそれが変わった?
中山 そうですね。まず入ってみたらAチームには本当にすごい選手ばかりいて、同期だと延岡学園から来た寺園脩斗(三遠ネオフェニックス)とか洛南から来た伊藤達哉(大阪エヴェッサ)とか自分たちの代を代表するような選手がいるわけです。最初のうちはあいつらのプレーを見て、すげー、さすがーと思ってたんですけど、一緒にやっているうちに自分も負けられない、負けたくないという気持ちがどんどん湧いてきたんですね。そのためにも絶対ここ(Aチーム)にいたい、ここで結果を出したいと思うようになりました。バスケは上手くなくても負けん気だけは強かったんです(笑)