試合のなかった日曜日、宇都宮ブレックスが東地区優勝を決めた。富山グラウジーズに2連勝してマジック1となった宇都宮は、同2位の千葉ジェッツが敗れることが最短の条件でもあった。優勝へとアシストしたのは、同3位で追う川崎ブレイブサンダースであり、勝てば自動的に地区優勝という目標が潰える。しかし、佐藤賢次ヘッドコーチは「ここまで勝って来られたのはファミリーの支えのおかげが絶対にある。ファンに恩返しするためにも、クォーターファイナルは絶対にここ(とどろきアリーナ)でやろう」と選手に再確認して試合に臨んだ。地区2位に与えられるホームコートアドバンテージをキープするためにも負けられない直接対決は、いずれも接戦を制した川崎が2連勝を飾った。
試合数が異なるため、勝率で順位は決まる。現在、東地区2位の千葉は70.8%(34勝14敗)。勝利数こそ上回る川崎は70.4%(38勝16敗)で3位のまま順位は変わらず、0.4%の僅差を争っている。この2チームの対戦は3勝1敗で川崎が上回ったが、残り試合数が大きく異なる。あと5試合でレギュラーシーズンが終わる川崎に対し、千葉は9試合も残っている。Bリーグが算出するシミュレーションによると、チャンピオンシップ出場まで川崎はマジック2、千葉はマジック4。チャンピオンシップ出場こそほぼ手中に収めている両チームだが、順位が確定するのは最終日までもつれる可能性が高い。
第3クォーターに逆転を呼び込んだビッグラインナップのディフェンス力
80-73で川崎が勝利した直接対決最終戦は、第3クォーターが明暗を分けた。6点を追って後半に入った川崎は、「ビッグラインナップのディフェンスが素晴らしく、成長を感じている。リーグ内でも強力な武器になっている」と佐藤ヘッドコーチは述べ、チームとして手応えをつかむ勝利となった。ゲームハイの24点を挙げたパブロ・アギラールも、「ディフェンスが機能して勝利することができた」と自らの活躍ではなく、チームとして守り勝ったことを強調する。
2m越えを3人揃える川崎のビッグラインナップに対し、「チープなターンオーバーが多く、自分たちからアクティブに戦わなければいけないのに相手のペースに合わせてしまった」という千葉の大野篤史ヘッドコーチは、第3クォーターに逆転が起きた原因について言及する。
「自分たちのペースをしっかりと強調していかなければ、高さがあるチームに勝つことは難しい。自分たちのストロングポイントを出せず、良い判断ができなかった。ノーマークの選手がいるのにボールを持ち続けてしまい、それによって相手にディフェンスのローテーションを簡単にさせてしまった。小さいミスの積み重ねがあのような結果につながってしまった」