しつこく秋田らしいチームディフェンス
オフェンスだけではなく、身長差が如実に現れるディフェンスこそチームで守らねばならない。201cmの野本建吾はもちろんだが、190cmの古川孝敏や182cmの中山拓哉も2mを超えるビッグマンとのマッチアップを余儀なくされた。「インサイドをガード陣が守る機会も多かったですが、その中でもチームとして守れていたと感じています」と中山は言う。大敗を喫した前日は、チームディフェンスが機能していなかった反省点を踏まえ、「コミュニケーションは昨日よりも取れていました。やられてしまう部分もありましたが、チームとしては良かったです」と自信を得ることができた。
早々にデイビスがファウルトラブルに陥ると、「もともと考えてはいなかったが、ゾーンも必要かな」と前田ヘッドコーチは考え、後半はそのゾーンディフェンスからスタートした。しかし、川崎の大黒柱であるファジーカスに3連続ポストプレーを許し、42-48と引き離される。タイムアウトを取った秋田はマンツーマンに戻すと、ふたたび流れを引き寄せた。
「川崎はボールを動かすのがうまいので、そこで簡単に失点が続いた。もともとのゲームプラン通りにマンツーマンにしたところ、今日は非常に良かった。ボールプレッシャーもかけていたし、パスの出どころも難しくさせることができていた。しつこく、秋田らしいディフェンスができていた」と前田ヘッドコーチを納得させるパフォーマンスを見せ、外国籍選手が少ないビハインドを跳ね除けた。
すぐさまやってくる4月14日(水)には、ホームに富山グラウジーズを迎える。その富山も外国籍選手は2人しかいないが、先週の水曜ゲームでは77-91で敗れている。「(ジョシュア)スミス選手のインサイドが強い。今日も(外国籍選手が)ファウルトラブルになってしまいましたが、その中で日本人選手がどれだけそこに対してアプローチをかけることや、チームとして守ることがより一層大切になってくると思っています」という中山は、この勝利で弾みをつけてリベンジを目指す。
あと10試合程度となったBリーグであり、レギュラーシーズンで積み上げて来たチーム力が問われる。厳しい順位ではあるが、チャンピオンシップ進出の望みは消えていない。「ホームでも勝つ姿を見せ、最後まで諦めずにブースターの皆さんとともに戦っていきたい」と、細谷はさらなる勝利を誓った。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE