仲間を信じ、勝利を信じた秋田ノーザンハピネッツが連敗を6でストップ
7連勝中の川崎ブレイブサンダースを93-84で破り、秋田ノーザンハピネッツが6連敗中の長いトンネルを抜けた。前日の4月10日は55-82と大敗を喫していた秋田だったが「自分たちを信じて、勝ちを信じて、同じ方向を向いて40分間ゲームを遂行してくれた。チームとして勝とうという意思を出し続けてくれたことを誇りに思う」と前田顕蔵ヘッドコーチは勝因を挙げる。2日間アウェーの地で、または秋田でともに戦ってくれたブースターへ感謝の言葉を続け、「やっと勝利を届けられたことをうれしく思う」と勝利の喜びを噛み締めた。
過去も含め、国内リーグでは外国籍選手の数の差がそのまま結果に反映されてしまうことが多い。チャンピオンシップ圏内にいた秋田だったが、2月10日のサンロッカーズ渋谷戦で得点源のカディーム・コールビーが両膝膝蓋骨骨折で戦線離脱。外国籍選手が2人しかいなくなると黒星が先行し、東地区7位まで順位を落としてしまう。
マティアス・カルファニをケガで欠く川崎も外国籍選手は2人だが、帰化枠のニック・ファジーカスを擁するアドバンテージがある。この3人を同時に起用する川崎のビッグラインナップが機能した初戦は、大差をつけられた。連敗を脱出するためにも、「日本人選手の誰かが爆発しなければ厳しい」という危機感を持っていたのは細谷将司である。ベンチスタートの細谷はコートに入った瞬間から積極的にゴールを狙い、前半だけで23点を挙げ、チームを勢いづける。Bリーグ元年に横浜ビー・コルセアーズで挙げた39点に次ぐ、シーズンハイとなる31点を記録。大浦颯太が14点、保岡龍斗も13点と続き、常に声を掛け合ってチームとして戦い抜いたことが好循環を生んだ。
アレックス・デイビスが前半で3つのファウルを犯し、ハビエル・カーターは終盤にファウルアウトするトラブルに見舞われた。スモールラインナップの秋田にとっては、3ポイントシュートが打開点となる。その確率は30.8%(※4月11日現在)、リーグ内では下から2番目と高くはない状況だった。しかしこの日は細谷が6本、保岡は3本を沈め、チームとして48.3%(14/29本)の高確率で決めたことも大きい。前田ヘッドコーチは打つこと以上に、「3ポイントシュートに行く過程が大事。そのシチュエーションをどう作れるか」に焦点をあてる。「選手たちがボールを動かして、シュートを打ち切ってくれた。昨日もオープンで打てていたところもあったが、少し迷いがあった。今日は思い切って打ってくれたことが良かった」と続け、技術以上に気持ちで上回ったことが勝利を引き寄せた。