3月11日、東日本大震災から10年目を迎えた。Bリーグでは被災地のプロクラブである仙台89ERS、福島ファイヤーボンズ、岩手ビッグブルズ、茨城ロボッツの活動をサポートする「B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便」を発足。震災を忘れない、震災の教訓を生かすために、バスケを通じたさまざまなイベントが開催された。
B.Hope Defense Action - 防災バスケ
バスケを通じて防災に関する初期行動を伝える「B.Hope Defense Action - 防災バスケ」。茨城ロボッツではクラブのOBであり、公式YouTubeで毎節見どころを解説する一色翔太氏と、元日本代表の伊藤俊亮氏をゲストコーチとして招いてクリニックを実施。子どもたちと一緒に防災バスケに取り組んだ伊藤氏にその感想を聞いた。
「楽しみながら防災訓練につながるのが一番良いと思います。シリアスな部分だけでは、なかなか受け取れない子どもたちもいます。防災バスケを使った初期行動は大事であり、『やろうね』と言うだけではなかなか伝えるのも難しいです。このクリニックを通じて、そういえばあのときに『(エレベーターの中で地震が起きたら)ボタンを全部押せと言っていたな』ということを思い出してくれれば良いんです。そんな状況はなかなか起こらないし、ない方がもちろん良いけど、知っていることで誰かに伝えることもできます。素晴らしい活動だと思いました」
この防災バスケの方法は動画を通じて、茨城の選手たちがデモンストレーションを行なっているのでぜひご覧いただきたい。
Defense Action実施マニュアル https://bit.ly/31FIxDf
同じ色のトレーナーであっという間に意気投合
今回のクリニックに伊藤氏をゲスト講師として迎えたのは、同い年である茨城の上原和人GMとの深い絆にあった。
二人の出会いは20年ほど前まで遡る。中央大学出身の伊藤氏と国士舘大学出身の上原GMは、大学4年時に各チームの枠を超えてバスケを盛り上げようというつながりを築くことを目的としたキャプテン会議で遭遇する。「赤と紫の間のような色で、これは誰も着ないだろう」と思って伊藤氏が選んだチャンピオン製トレーナーが、まさか上原GMも同じセンスだったことに驚かされる。対戦相手としては何度も同じコートに立っていたが、じっくりと話す機会はなかった。はじめて私服で出会った日に、同じ色のトレーナーを着ていたことであっという間に意気投合する。