うまくハマったゾーンを攻略され、11連敗
82-111で敗れた熊本ヴォルターズは、11連敗中である。3月20日の茨城ロボッツ戦は、3連続3ポイントシュートの集中砲火を浴び、最悪のスタートだった。すぐさまメンバーを変え、ゾーンディフェンスを敷いて立て直す。岡田修ヘッドコーチが体調不良により、代わって指揮を執る橋爪純アシスタントコーチは、「ここ最近はゾーンで守れていることが頭にあった。相手の流れを変えたいという意味でゾーンをしたところ、うまくハマった」ことで一時はリードを奪う。しかし、「長い時間ゾーンをし過ぎてしまったと思います」と佐々木隆成が危惧したとおりの結果となる。茨城のリチャード・グレスマンヘッドコーチは「相手にとってゾーンはリスクの高い戦術だったと思う」と攻略され、今シーズン最多となる111点を与える大敗を喫した。
11連敗中の熊本だが西地区6位に踏み止まっており、4位との差はたった2.5ゲームしかない。大黒柱のデイビッド・ドブラスが左膝脛骨外顆高原骨折により戦線離脱したが、「ディフェンスで足を動かしながら、なんとかカバーすべく練習をしている」と橋爪アシスタントコーチは話しており、今ある戦力での打開策を模索する。「これまではドブラス選手のインサイドにオフェンスのアドバンテージがあった。しかし今はボールを全員で動かして、みんなで良いシュートを作るような展開にしなければスコアも伸びない」と課題点も見えており、茨城戦の前半は連敗を抜け出す兆しも見られた。
第3クォーターに3つ目のファウルを取られ、ベンチに下がった佐々木は「1on1だけになったり、外でパスを回してシュートをするだけのようなオフェンスが長く続いていた」と課題が浮き彫りになる。再びコートに戻るや否や、積極的なペイントアタックで打開を試みた。「そこからキックアウトして展開することを狙っていました。もっともっと積極的なプレーを考えていきたい」と持ち味を発揮しながら今後も勝利を目指す。
「もっともっと謙虚に、感謝の心を持って試合に臨んでいきたい」佐々木隆成
天理大学3年時は大阪エヴェッサで特別指定選手として、昨シーズンはアマチュア契約で熊本に入団。これまでの2シーズンは、ほとんど試合に出る機会はなかった。本格的にプロとなった今シーズンは48試合に出場し、46試合で先発を任されている。「最初の頃はスタートで出るイメージもなかった」という佐々木だが、「今は(先発出場が)当たり前になりつつあります。でも、そこで当然とは思わずにもっともっと謙虚に、感謝の心を持って試合に臨んでいきたいです」と気を引き締める。
橋爪アシスタントコーチは、佐々木の長所として身体能力の高さやゴールへアタックする積極性、そしてディフェンス力を挙げた。ケガで選手層が薄くなった1月頃から、「3ポイントシュートの試投数が増えて確率も良くなり、得点が伸びている。アタックだけではなく、今はアウトサイドシュートもある」と期待を寄せる。