「ここからは本当にひとつも落とせない試合が続いていきます」
佐賀はレイナルド・ガルシアがポイントガードを務めており、必然的に202cmの中西が外国籍選手とマッチアップする機会が多い。これまで42試合の全てを先発出場し、平均11.3点、5.6リバウンドを挙げ、インサイドで体を張っている。「もっとうまく外国籍選手を守れるようにしなければいけないと思っています。オフェンスでも、もっと1on1から仕掛けることもしなければいけない、という課題が今シーズンはまだまだあります」と言うように、中西自身が理想とするプレーには到達していない。しかし、昨シーズンと比較すれば、「成長はできているという手応えはあります。自分自身が成長することがチームのためになる」と意識を高く持ち、レベルアップを図っていた。
特別指定選手として加入した天理大学の川真田紘也は、すでにプレータイムを与えられている。中西と同じく202cmある川真田とは練習中からマッチアップし、互いにライバル心を持って切磋琢磨する。「アドバイスできることはひとつずつ練習中から伝えています。ポテンシャルがすごく高い選手なので、今後の伸びしろに期待しながら一緒に成長していきたいです」という中西は、自らの経験を注入しながらチームの厚みを増している。
Bリーグ発足後に誕生したクラブとして、はじめてB2に参戦する佐賀。23勝は、2017-18シーズンに昇格したライジングゼファー福岡(47勝13敗)、金沢武士団(28勝32敗)に続く勝ち星を誇る。現時点において、勝率では金沢を上回っている。B3から昇格したチームとしては及第点を与えられる成績だが、目標はそこではない。中西が終盤戦へ向けた意気込みを語ってくれた。
「ここからは本当にひとつも落とせない試合が続いていきます。どんどんチームを完成していかなければいけない時期ということをもう一度意識しなければいけない。外国籍選手や相馬(卓弥)選手、西(裕太郎)選手などは多くの経験があります。相馬選手に至っては、(島根スサノオマジックの一員として)B2からB1に昇格させた経験もあり、僕らが引っ張っていきながらもう一度チームをまとめていきたいです」
次節は一つ上にいる西地区2位のファイティングイーグルス名古屋をホームに迎える。その後はふたたび東地区とのアウェーゲームが続くため、ホームのファンに勝利を届けて前半戦の好調さを取り戻したいところだ。
文・写真 泉誠一