昨シーズンは平均80.2点だった群馬だが、今シーズンは平均91.6点と飛躍的にオフェンス力を向上させた。一方で、2月27日の東京Z戦は87点、前節の山形ワイヴァンズ戦でも101点を奪われており、失点が目立つ。ディフェンスを重んじる山崎は、これまで学んできた経験をチームメイトに伝え、コーチにも提案しながらチームの成長につなげている。
「チームメイトにもこのような守り方があると伝えて、それができるように練習をして、試合にも臨めています。いろんな考え方をまだ持ち合わせていない選手も何人かいるので、そこは伝えるようにして、同じページで、みんなの共通意識の中で戦えるようにすることを意識してコミュニケーションを取っています」
開幕から18試合は先発を任された山崎だが、その後はベンチスタートが続く。だが、先発かどうかは問題ではない。「宇都宮のときもベンチスタートだったので、慣れている部分は正直言ってあります」という山崎だからこそ、やるべきことも明確になっている。
「自分で流れを変えることや、激しいディフェンスからよりチームに勢いをもたらせていくことを意識しています。今はベンチスタートが多いですが、これまでの経験が生かせている部分でもあります」
B2最多勝利数を超える前人未到へのチャレンジ
33連勝の記録を作った群馬だが、2月13日の仙台89ERS戦で延長の末に93-99で敗れ、3敗目を喫した。「少しずつ緩みが見えはじめていた」と平岡ヘッドコーチが言えば、山崎も「フワッと試合に入ってしまえばあのような結果になる」と反省する。連勝こそ止まってしまったが、「選手それぞれがあの敗戦を見つめて、もう一度気を引き締め直して後半戦やプレーオフに向けて一つひとつ戦っていこう」と仕切り直すきっかけになった。
「良い負けというのはないが、チームにとってはあの負けがあったからこそ、チームの約束事をさらに徹底し、前半戦以上に守るようになってきているようには感じている」(平岡ヘッドコーチ)
2017-18シーズンに秋田ノーザンハピネッツがB2最多勝利数を記録した54勝(6敗)を超えることを目標とし、チームのスローガンに『前人未踏~It’s Show Time~』を掲げた。B2プレーオフ出場を決めたが、「これから負けることは許されない。みんなで気を引き締めて戦っていけば、さらに良いゲームになって楽に勝つこともできるようになる。まずは目の前の1試合1試合をしっかり戦っていきたいです」と山崎は力を込める。残り18試合、群馬が新たな歴史を切り拓いていく。
文・写真 泉誠一