2/3を消化したB2は早くもクライマックスへ
B1がバイウィークで試合がない中、B2は2/3を消化した(※一部のチームは新型コロナウイルス感染により40試合に届いていない)。リーグ新記録となる33連勝を達成した群馬クレインサンダーズは、37勝3敗で頭ひとつ抜けている。東地区優勝までマジック11が点灯中だ。ともに9.5ゲーム差で、2位の茨城ロボッツ(27勝12敗)と3位の越谷アルファーズ(28勝13敗)が続く。西地区は首位に立つ西宮ストークス(26勝15敗)を筆頭に、2位はファイティングイーグルス名古屋(23勝16敗)、B2に昇格したばかりの佐賀バルーナーズ(23勝18敗)は3位と健闘している。
両地区上位3チームと両地区4位以下で勝率の高い2チームのワイルドカードを加えた8チームで争われるB2プレーオフ。さらに、今後のクラブライセンスをクリアできれば、上位2チームがB1へ自動昇格を果たす。B1より一足早く、B2はクライマックスへ足を踏み入れた。
3位の越谷は西地区5位(※現在6位)のライジングゼファー福岡と対戦し、約2ヶ月ぶりとなるホームでの連勝を飾った。初戦は80-57とワンサイドゲームで勝利をしたが、その内容は褒められるものではない。ターンオーバーは21本とミスが目立ち、フリースロー63.6%(21/33本)、3Pシュートも23.1%(3/13本)と精彩を欠く。それでも大差をつけて勝利をつかみ、地力があることを証明して見せた。
翌2戦目は互いに審判と戦う落ち着かない展開となる。途中出場の飯田鴻朗が、ディフェンスから入ったことでチームを落ち着かせていく。その飯田は「私はできることが限られています」と謙遜しながら、「出たときに温度感を変え、スピード感を変え、チームとして勢いに乗れるプレーを心がけています」とコートに入ったことが功を奏す。記録されたスティールは2本だったが、何度も福岡のガード陣を苦しめるディフェンスで流れを呼び込む。オフェンスでは持ち前のドライブからゴールを狙う積極性を見せる。15点、5アシストを挙げ、90-77の勝利に貢献した。
プロ選手と社員選手が互いにリスペクト
昨シーズン、B2に昇格したばかりの越谷は中地区5位、リーグ全体でも18チーム中15位だった。しかし今シーズンは上位争いにおり、首位の群馬には2連勝している。好調の要因として、B1経験者の加入が大きい。先発を担う畠山俊樹、長谷川智也(ともに大阪エヴェッサ〜)、アイザック・バッツ(富山グラウジーズ〜)、クレイグ・ブラッキンズ(滋賀レイクスターズ〜)の4人が主軸となる。そこにプラスする生え抜き選手が存在感を示し、チームとしての厚みが増していた。
前節と福岡戦はケガから復帰した小林礼秧(SF/PF)を起用し、その前は横塚蛍(PG)など、ポジションに関係なく5人目のピースを生え抜き選手が埋めている。その理由について、「あまり言いたくはない」という高原純平ヘッドコーチが重たい口を開いてくれた。
「今はプレシーズンから準備してきた段階とは違うステージに入っている。少しずつプレーオフを見据えながら、いろんな組み合わせを試している」
越谷は、B3のとき同様に大塚商会で働く社員選手とプロ選手の混成チームである。これまではその部分での温度差もあったが、今シーズンはポジティブな変化が見られていると高原ヘッドコーチは明かす。