流れをつかんだ信州だったが、第4クォーターのオフェンスが単調になってしまった。勝久ヘッドコーチは、「第4クォーターに相手がギアを上げたときにボールが回らなくなってしまい、シンプルなことの遂行力が悪かった」と振り返る。前半に見られた良くない種類のターンオーバーが、最後の10分間でも露呈してしまった。
「ピック&ロールに対して相手がブリッツに来た。しかしその次のプレーでは、相手が出てきてもいないのに焦ってすぐにパスしてしまい、ターンオーバーになっている。全てに対して急いでプレーしてしまい、悪い種類のターンオーバーにつながってしまった」
凱旋試合となった千葉の元キャプテンである小野龍猛は、「40分間自分たちのバスケができなければ勝てない」と強調する。1試合の中で、良いイメージで戦えている時間帯は必ずある。信州にとっては勝って自信につなげたかっただけに、悔しい敗戦となった。
大野篤史ヘッドコーチの選択「長いシーズンを見た中で今日は判断」
前節のアルバルク東京戦で活躍した大倉颯太が、初戦でロスターから外れた点について、大野ヘッドコーチは以下のように話している。
「彼が最後までジェッツにいるならば、今日もロスターに入れている。しかし長いシーズンにおいて、彼がいなくなることを想定しなければならず、その中において誰かを入れるとなったときに、前回はコー(フリッピン)とシゲを外したけど、どちらかが上がって来なければならないし、彼らにとっては競争。長いシーズンを見た中で今日は判断しましたが、明日はまた違う判断をする」
最後の言葉どおり、大倉が復帰した翌日は9点を挙げ、99-67で快勝した。信州は攻守の要であるマクヘンリーがケガにより、欠場したことも響いている。長いシーズンにおいてケガはつきものであり、また特別指定選手を含めたロスターの選択肢によっても結果が左右される。千葉は現在17人が選手登録されており、#200ジャンボくんや#274ふなっしーがベンチに座る姿が来るのだろうか。ヘッドコーチとは、心労が絶えない仕事である。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE