ディフェンシブな戦いを攻略するオフェンス
バスケは最後に1点でも多く奪った方が勝利する。互いにディフェンシブな戦いにおいて、オフェンスではどう攻略しているのかを両ヘッドコーチに聞いてみた。
「今日は試合が始まる前に、ピック&ロールのポケットゲームのところを修正しながら、もう少しインサイドから攻めようと伝え、そこがある程度は機能した。点数はあまり伸びなかったが、相手のビッグマンのファウルを誘うことはできた」(宇都宮:安齋ヘッドコーチ)
「出ているメンバーの特徴を生かして、昨日や今日であればビッグマン2人(ジェームズ・マイケル・マカドゥとチャールズ・ジャクソン)を利用すべきであり、そこを考えながらオフェンスのプレーコールをした。選手たちにも狙いどころが浸透してきている。今日は相手の良いディフェンスもあったし、シュートが決まらなかったところも何本かあり、結局は5点足りなかった」(SR渋谷:伊佐ヘッドコーチ)
67-62、どちらも70点に届かせないディフェンスを繰り広げ、その裏返しとなるオフェンスでも対応しながら勝機を見出していた。シュートを放った本数を比較すれば、宇都宮の56本に対し、SR渋谷は70本と14本も多くチャンスを作る。あとは決めるだけであり、「インサイドはサンロッカーズの方に分があった。僕もそうだが、ガード陣が決めるべきシュートを決めないと勝てないと感じた」と反省点を挙げたベンドラメ礼生だが、チームハイの18点を記録する。31.4%とチームとして精彩を欠いたシュート率を上げるためにもより、チームオフェンスの必要性を説いていた。
主力のライアンを欠く両チームであり、復帰するまでは踏ん張りどころである。テーブスは「リバウンドではガードが多く飛び込んだり、他の選手もプレータイムを増やしたりしていきながらカバーしていかなければいけない。ライアンが戻って来たときに、もっと成長したチームになればよい」とプラスに捉えている。ベンドラメも「ライアンが不在となったこの3試合は、CJ(チャールズ・ジャクソン)とマック(ジェームズ・マイケル・マカドゥ)が本当にがんばってくれている。激しく守るディフェンススタイルの中であの二人は30分以上出て、体力的にきつい中でもしっかりリバウンドを獲ってくれている。彼らの代わりに入ってくる野口(大介)さんと(八村)阿蓮もしっかりとつないでくれている。チームとしてはすごく成長できていると感じている」と話しており、ピンチをチャンスに変えれば良い。選手層が厚くなることは、チャンピオンシップを勝ち進むためにも不可欠である。
後半戦がスタートするや否や、東地区が混戦状態だ。首位に立つ宇都宮ブレックスから7位のアルバルク東京まで、6ゲーム差でひしめき合っている。ヘッドコーチもおもわず「楽しい」と声を上げてしまうような緊張感ある戦いが、これからますます続いていく。
1位:宇都宮ブレックス(25勝7敗)
2位:千葉ジェッツ(24勝8敗)
3位:サンロッカーズ渋谷(22勝10敗)
4位:富山グラウジーズ(21勝11敗)
5位:秋田ノーザンハピネッツ(21勝11敗)
6位:川崎ブレイブサンダース(20勝12敗)
7位:アルバルク東京(19勝13敗)
※1月31日現在
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE