堀田剛司ヘッドコーチ凱旋試合を勝利で飾る
17連敗中の広島ドラゴンフライズが、11月11日の京都ハンナリーズ戦以来となる80日ぶりに勝利を手にした。ここ3試合、先発出場していたのは昨シーズンまで横浜ビー・コルセアーズで活躍した田渡凌だった。しかしその横浜との初戦は、アイザイア・マーフィーが先発を託された。
「連敗している状況もあり、マーフィー選手をポイントガードとして起用し、勢いをつけたいという狙いもありました。しっかり自分の仕事をしてくれたと思っています」と堀田剛司ヘッドコーチは及第点を与えている。マーフィーにとってはポイントガードとして初めて先発起用され、「相手のコールに対してみんなに伝達することを意識し、しっかりできたと思います。アグレッシブなディフェンスにフォーカスしていました」と新たなポジションに対する自信を得ることができた。
勝てば選手たちを称賛し、負ければヘッドコーチの責任となるのがこの世界である。73-70で横浜の猛追を振り切って勝利し、長い長いトンネルを抜けた堀田ヘッドコーチは、「選手たちが苦しんでずっとがんばっていた中、なかなか結果が出なかった状況でしたが、この試合をしっかり勝ちきれたことは今後の選手たちにとっても自信になります」と安堵の表情を見せた。堀田ヘッドコーチにとっては、現役最後に在籍していたのが横浜であり、ヘッドコーチとなって初の凱旋試合を勝利で飾った。
「国際プールという会場は懐かしく、ここで勝ち星を獲ることができたのは大変うれしいです」
「このチームはまだまだ成長できる」朝山正悟
「勝てたけど、スッキリとした気持ちではない」と話すのは朝山正悟だ。それもそのはず、最終クォーターがはじまる時点で広島は15点リードしていた。しかし、最後の10分間は河村勇輝の執拗なディフェンスにリズムを崩され、残り3分42秒で3点差に詰められる。最後は河村が放った深い位置からの3Pシュートが外れ、なんとか勝ち星を拾った試合内容だった。堀田ヘッドコーチは「ミスが多かったり、リバウンドを取られてセカンドチャンスから失点したり、トランジションで走られているのが増えている状況」という試合の締め方に大きな課題がある。
ハーフタイム中、朝山がバックコート陣を集め、終盤には古野拓巳の横に立って声をかけ、戦う気持ちや勝利への執念を植え付けている。B1に昇格し、前半戦を戦ってきた中で多くの経験ができた。その先を見据え、朝山はチームメイトと向き合っている。
「苦しい思いもしたし、惜しい試合もあり、勝ったときの喜びを感じることもでき、いろんな経験をしてきました。ここからはその経験をいかに生かして、自分の成長をさらにチームの成長につなげていけるかどうかです。でも、フワッとしている部分がまだまだあると感じています。練習から全員が一生懸命に取り組んでいますが、もっと高いところをみんなで見つめて取り組んでいくことができれば、このチームはまだまだ成長できます」