「うまく使えるようになることが優勝への道につながっていく」佐藤賢次ヘッドコーチ
ビッグラインナップは爆発的なオフェンスが期待できる。10月16日の広島ドラゴンフライズ戦では、その時間帯に+26点差とし、99-64で勝利している。SR渋谷戦は約4分間の起用であり、+3点差だった。しかし、ファウルを誘う攻撃を仕掛け、結果的に第3クォーターは16本のフリースローを得て、それだけで15点を挙げている。
「ビッグラインナップに期待するのは、ゲームチェンジの役割。本来、激しいディフェンスから流れを作るプレースタイルがベースとなる。だが、ビッグラインナップによってゾーンやスイッチディフェンスなど、相手が対応するためにまた指示を変えなければならないような、ゲームの流れに変化をもたらせることができる」
佐藤ヘッドコーチは「うまく使えるようになることが優勝への道につながっていく」と続け、タイミングよく起用するための見極めを課題点として挙げた。
ベンチスタートながらチームハイの14点を挙げ、この試合のMVPに輝いたカルファニは、「とどろきに戻ってくることができて、とても嬉しいです」と終始ニコヤカな会見となった。左足底筋膜断裂により3ヶ月の離脱、その前には右膝関節前十字靭帯を損傷し、手術をしたことで昨シーズンを棒に振っている。復帰へ向けて献身的にサポートしてくれたチームスタッフに感謝し、「今は100%戻りました」と完璧なコンディションを手に入れた。ゲーム勘こそまだ戻っていないが、その分チームとしての伸びしろは大きい。
現在19勝11敗で東地区6位。両地区上位3位+それに続く勝率上位2チームが出場できるチャンピオンシップに届く位置にはまだいない。だが、東地区3位のSR渋谷に2連勝し、同地区上位3チームにも負けていない。佐藤ヘッドコーチは、「目指している軸は間違っていないし、もっと成長させていくことで強くなるという手応えはある。これからは1戦1戦がメチャクチャ大事。1試合も落とせない気持ちで戦っていく」ことを誓った。
レギュラーシーズンはちょうど半分を消化し、残る30試合へ向けて弾みをつける1勝となった。週末のアウェーゲームを経て、来週には好調な水曜ゲームが待っている。ホームに迎える千葉ジェッツにも帰化選手のギャビン・エドワーズがいる。SR渋谷戦では、「とにかく主導権争いに対する戦術の使い方がすごく楽しい。コーチとして、戦い合っている感じがする」と佐藤ヘッドコーチが言うように、指揮官同士の駆け引きも見逃せない。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE