「純とは一緒にやった方が良いというアドバイスがあり、一緒に土浦日大に行こうと思いました。(平岩)玄(アルバルク東京)も来るというのも決断した理由のひとつです。大学は、本村さんからもいろいろ聞きながら決めました。逆に天昇から聞かれた記憶はないですね(笑)」
以前、杉本に取材をした際、松脇を尊敬する存在だと話していた。「それ、いつも言ってるんですよ、アイツ!ウソにしか聞こえないんですよね。僕はいつもそれについては聞き流しています」と笑うほど、気心が知れた仲である。
「とりあえず走って」備えたルーキーシーズン
特別指定選手として昨シーズンから富山グラウジーズに入団し、ようやく独り立ちできたようにも感じる。「B1のチームに行きたかった。そんなに多くのチームから選べるわけではなかったですが、試合に出られる可能性があると思いました」というのが決め手となった。
ルーキーシーズンを迎える前は、「とりあえず走ってましたね」と苦笑い。大学界でもフィジカルは強い方だと思っていたが、「大学とは体の当たりが全然違いますし、チーム内でもまわりの選手が大きかったので、そこは衝撃を受けました」と練習中からプロの洗礼を浴び、体を鍛え直す。その尺度で準備してきたことで、開幕戦から22試合連続で先発出場を任される。しかし、12月20日の千葉ジェッツ戦からベンチスタートとなり、現状について松脇はこう述べている。
「最初の頃にできていたパフォーマンスができていなかったです。気持ち的にもプラスに考えることができていませんでした。(浜口)炎さんには『もっとアグレッシブに行け』『シュートを打てるときはどんどん打て』と言われました。ここ数試合は、そこを心がけてプレーできるようになっています」
先発こそ外れたが、プレータイムはしっかりと与えられ、好調な富山に欠かせない存在であることは変わりない。松脇自身も「自分の通用する部分はオフェンスでもディフェンスでも手応えを感じています」と実戦を通して自信に変えている。
今シーズンの目標「3年連続で富山の選手が獲れればおもしろいですよね」(後編)へ続く
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE