昨シーズンは共に戦い、2018-19シーズンは琉球ゴールデンキングスの一員として、チャンピオンシップセミファイナルでA東京に敗れた経験を持つ。仲間として、敵としてもA東京の強さを知るジョーンズは、「一番大事なことはチームとしてひとつになって戦うことです。一気に良い方向へ変わることはなかなか難しいです。チームワークを徹底し、一つひとつのステップを積み重ねて克服していくことが大切です」と現状を受け止め、後半戦への巻き返しを誓った。
新加入のデション・トーマスについて、パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「デションも、チームメイトたちも今生じている溝を埋めるべく、日々取り組んでいる。どうやって彼とチームの一体感を求めるかを考えることが、お互いにとっての最善策だと話している」。ルーキーの小酒部泰暉は、大阪との初戦で勝利を呼び込む3Pシュートを決めた。「能力を生かした素晴らしいプレーをする場面ももちろんあるが、まだまだ経験を積み重ねている段階」と指揮官が言うように波はある。しかし、チームにエネルギーを与える若手や新戦力が、一気に流れを変えることだってできる。
1月13日(水)、昨年のチャンピオンであるサンロッカーズ渋谷をホームに迎える天皇杯3次ラウンドへ向け、「選手たちはコンディションとメンタル面も一度リセットし、全てをぶつけて競い合い、強いバスケができるようにして、ファイナルラウンドに進めるようにしっかりと準備していきたい」とパヴィチェヴィッチヘッドコーチは言い、仕切り直してチームが上向くきっかけにしたい。
これまでのリーグ制覇を振り返れば、開幕直前にアジア・チャンピオンズ・カップに出場したり、日本代表活動のために多くの選手を欠いたり、けっして順風満帆ではなかった。今もケガ人などがおり、厳しい状況が続いている。だが、必ず最後には帳尻を合わせてくるのがA東京の強さであり、勝ち方を知っていることこそが最大の武器となる。残念ながらオールスターは中止となったが、このブレイク期間を有効活用し、しっかりとチームを成熟させて戻ってくるはずだ。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE