── 寺嶋さんから見た今シーズンの京都はどんなチームですか?
自分を含めて若い選手が多いので、劣勢からの立て直しなどにまだ課題が残りますが、噛み合ったときの勢いには自信があります。それにみんな明るい!負けが込んでいても下を向かないで次に向かう明るさに救われてるなあと思うことがあります。僕も東海大時代リクさん(陸川章監督)から24時間ルール(勝っても負けても日付が変わったら気持ちを切り替えて次の準備をする)を教わってきたので、気持ちの切り替えはわりと早い方だと思うんですが、前の滋賀レイクスターズ戦(11月15日)で1本のリバウンドが取れなかったときは落ち込みました。それは勝敗を分ける1本で自分が取れたはずのリバウンドなんです。なんであのとき…と、珍しく1週間ぐらい引きずりました。でも、そういうミスとか悔いは次の試合に生かすしかないなと思い直すことでやっと吹っ切れました。
── そういった経験も含め試合から学ぶことは多い?
はい、試合から学ぶことはめちゃくちゃ多いです。
── 対戦して嫌だなと思う選手はいますか?
川崎ブレイブサンダースの藤井(祐眞)さんは嫌ですね。身体能力も高いし運動量も豊富な選手で、いつも必死に食らいついて行くという感じなんですが、藤井さんは普通なら疲れてくる4ピリにディフェンスの圧とかを上げてくるんですよ。すごい選手です。
── それに負けないためにも生かしたい自分のストロングポイントと今後の課題は?
自分の持ち味はやはりスピードを生かしたプレーと攻め気だと思っています。また、今年のチームのコンセプトはディフェンスから流れを作ることなので、去年以上のハードなディフェンスでチームを引っ張っていきたいです。課題はたくさんあるんですが、まずはシュート確率の向上。今は3ポイントシュートの練習を意識してやっています。それと去年まではとにかくリングにアタックすることだけを考えていればよかったんですが、今シーズンはゲームの流れを読んでコントロールすることも大きな仕事の1つに必要になります。小川ヘッドコーチからは「苦しいときこそリーダーシップを発揮できる選手になってほしい」と言われていますし、自分自身もそこは意識して学んでいるところです。今はなかなか勝てない状況が続いていますが、さっきも言ったようにチームは暗くないし、試合を通して自信をつかみかけているというか、いい方向に向かっている手ごたえがあるんですね。苦しいからこそ成長できるというのは絶対あると思うので、ここからみんなで上を目指したい。自分は上を目指すみんなを鼓舞して引っ張れるような存在になりたいです。
── 高校時代を過ごした京都は寺嶋さんにとって第二の故郷と言えるかもしれません。ブースターのみなさんの熱い応援も背中を押してくれますね。
そのとおりです。ブースターのみなさんにはいつも感謝でいっぱいです。京都ってすごくいい所ですよね。今はコロナの影響であまり出かけられないのが残念ですけど。
── 食事もお店に行かず自分で作っているのですか?
いつもではないですが、自炊はします。今ハマっているのはすき焼き!
── ええー、1人ですき焼き?
そうです。すき焼きを2人分ぐらい作って1人で食べる〝1人すき焼き〞です。簡単だし、栄養もあるし、美味い!(笑)
── これから京都も底冷えする季節を迎えますが、〝1人すき焼きパワー〞でチームを牽引する寺嶋選手に期待しています。
はい、ここからは上へ上へと上っていくだけだと思っているので、チーム一丸となって頑張っていきます!
京都ハンナリーズ #0 寺嶋良
“新生京都” の副キャプテンは23歳の負けず嫌い
前編 中学生のころから将来の夢は『バスケのプロ選手』
後編 苦しいときこそリーダーシップを発揮できる選手になりたい
文 松原貴実
写真 B.LEAGUE
画像 バスケットボールスピリッツ