今シーズンレバンガ北海道への移籍を決めた第一の理由は『宮永雄太ヘッドコーチの熱いコール』だと言う。特別指定選手として富山で過ごした期間、宮永ヘッドコーチもまた富山に在籍しており、半年間ではあったが細かいプレーのアドバイスだけではなく、プロとしての在り方、姿勢についても教わった。
「その宮永さんがものすごく熱く自分を誘ってくださったことはうれしかったし、ありがたいと思いました。もちろんレバンガが展開するバスケットに自分がフィットできると感じたことも大きいです。今回は石橋を叩くこともなく移籍を決めました(笑)」
北海道に引っ越したのは今年の7月。「まじめな選手が揃っていて、一生懸命バスケットに取り組むチームだな」というのが第一印象だった。キャプテンの橋本竜馬は大濠高校の先輩でもあり、ハートの熱さではリーグ一、二を争う選手。「苦しい場面では常に声を出して周りを鼓舞してくれる心強い存在です。練習でもアドバイスをもらうことも多いし、いいプレーをしたときは必ず褒めてくれる。この人に付いていきたいなと思わせる人ですね。竜馬さんを中心に頑張るレバンガは第一印象どおりのチームです。その一員として少しでも勝利に貢献できる選手になりたい。今、本当に強くそう思っています」
自分が起用されるのは粘り強いディフェンス力を買われてのことだというのは承知している。その日の“ディフェンスの出来”によって20分のプレータイムが5分になることも経験済みだ。たしかに前から当たる激しいディフェンスは自分のストロングポイントではあるが、それだけでは足りないと思う。「激しさはもちろん必要ですが、それだけじゃなくて相手選手の特徴をしっかりとらえて対応する質の高いディフェンスを身に付けていかなければなりません」。さらにオフェンス面ではアウトサイドシュートの確率アップ、ドライブのフィニッシュの使い分けなど挙げる課題は多い。「もっと得点に絡めるようになること。得点面でも貢献できる選手になることが目標です」
第14節を終えた12月20日の時点でレバンガ北海道の順位は東地区最下位(5勝18敗)。苦しい戦いが続くが、葛原は下を向くことなく今の自分を冷静に評価し、しっかりとその先を見据えている。
「正直、僕はまだプロ選手としての自信がそれほどあるとは言えません。自信というのは毎試合、毎試合結果を残して、それを毎年、毎年積み重ねていって得られるものだと思うんですね。そういった意味で僕はまだまだです」
だが、自信を得られる選手になることへの自信がないわけではない。
「そうですね。ちょっとややこしいですけど(笑)。僕はこのチームの伸びしろを信じているし、だからこそその伸びしろに貢献できる選手になりたい。結果を出して自分のプレーに自信を得るためにも今は上を目指して頑張るだけです」
レギュラーシーズンも1/3の試合が終わって12月末、レバンガはここから巻き返しを図りたいところ。強豪が居並ぶ東地区でどんな戦いを仕掛けていくのか。勝利をもぎ取りに行くコートの上で食らいつく葛原のディフェンスが見たいと思う。
文 松原貴実
写真 B.LEAGUE
画像 バスケットボールスピリッツ