「早めにボールに触ってクリエイトして、まわりの選手にシュートを打たせるプレーを増やしていきたいです。そのプレーができれば、オフェンスでもディフェンスでも乗ってくるので、意識的にボールタッチの回数をもっと増やす必要があります。また、ペイントタッチを増やすことが僕の強みでもあるので、そこから自分のプレースタイルを確立していけるようにしたいです」
新戦力を含めてアウトサイドプレーヤーが多くなり、お互いの理解を深めていくことが問題解決への近道である。ジョーダン・ハミルトンやアンガス・ブラントからも「アグレッシブにもっとアタックしろ」と発破をかけられ、村上のプレースタイルを理解してくれている。
ディフェンスでは、ひとつのミスでもデニスヘッドコーチは容赦なくベンチに下げる。それが原因で先発から外される試合もあった。「ピックのボールマンに対するディフェンスは、コーチにもしつこく指摘されています。ボールプレッシャーから2on2の状況に対し、まずはその二人でどれだけ解決できるかを考えて守り、もしそこを抜かれたらまわりのディフェンスにローテーションしてもらう部分がチームとしても課題です」と改善点は分かっている。B1の強度を体感しながら、試合の中で修正していくしかない。
アグレッシブに攻めることが僕の武器
滋賀はこれまでも尻上がりに成長を見せ、戦力が整ったこれからが楽しみなチームである。コロナ禍によって出遅れた中でも、80点を超える試合が多かったオフェンス力には手応えを感じていた。その一方で、村上自身の試投数が下降している。「アメリカを経験した選手はアグレッシブに攻める傾向があり、そこは僕の武器でもある。ミスを恐れて消極的にプレーするのは良くないので、もっと意識して攻めていかないといけないです」と持ち味を発揮し、B1で爪痕を残していかなければならない。
課題を見つめ直し、チームワークを強化するためにも、バイウィークは必要な充電期間となった。迎えたアルバルク東京戦では、3試合ぶりに村上が先発で起用された。初戦は2点差の惜敗だったが、下を向くことなく逆に自信を得た滋賀は翌日の試合で勝利を収めている。しかし、勝負を決めるコート上に村上の姿はなかった。だが、はじめてチャンピオンと対峙したことで、いろんな刺激を受けたはずだ。
「B1のチームや選手から覚えてもらえるようなプレーをしていきたいです。これから上位チームとの対戦が増えて行くので、まずはディフェンスを修正し、オフェンスでは個々の能力を生かしながらチームとして展開できるようにしたいです」というのが、目下の目標になる。現在24歳、プロになって6年目にたどり着いたトップリーグで、さらなるインパクトを与える活躍を期待している。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE
画像 バスケットボールスピリッツ