21本ものターンオーバーで自滅したが…
2連覇中(※2017-18、2018-19優勝。2019-20シーズンはコロナ禍のためシーズン途中で中止)のBリーグチャンピオンであるアルバルク東京が、横浜ビー・コルセアーズを83-57で下して圧勝した。
A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、ほぼ選手の入れ替えがなかった「チーム熟成度の差」を勝因に挙げる。「ディフェンスを主体にするチーム」という菊地祥平の言葉どおり、57点に抑えた。オフェンスでは、執拗なペイントアタックからパスを回してノーマークを作り、12本の3Pシュートを成功させた(成功率48%)。
敗れた横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは、「相手のディフェンスにプレッシャーをかけられたことで、何度もボールを失うケースや自分たちのオフェンスができない部分もあったが、最初から最後まで戦う姿勢を見せ続けてくれた」と26点差の大差で敗れたにも関わらず、選手たちを評価する。
A東京との初戦は、移籍したばかりの森井健太や特別指定選手のケドリック・ストックマン・ジュニアら経験浅いガード陣がプレッシャーディフェンスにつかまり、タフショットを選択しなければならない状況が続いた。空回りするオフェンスに対し、「(21本の)ターンオーバーが多ければ勝つことも不可能になってくる。明日はどうプレッシャーに対応し、どうボールを運ぶか、どうボールエントリーすればプレッシャーを乗り越えるかを修正するしかない。選手は自信を持ち、とにかくもっと強く、もっとフィジカルにプレーすることで打破できるはずだ」とミリングヘッドコーチはオフェンスの課題点を挙げた。ベンチスタートの秋山皓太や須藤昂矢、そして20歳のストックマン・ジュニアが積極的にゴールを狙って行ったことで、「相手ディフェンスのプレッシャーを乗り越えて得点につなげられた場面もあった」という改善の余地も見られている。
ディフェンスでは83点を失ったが、その原因はオフェンスで自滅したことでリズムに乗りきれなかったことにある。逆にA東京に走られ、確率良く3Pシュートを決められ、大差をつけられてしまった。第4クォーターこそポストプレーから簡単に失点を許す場面もあったが、それまではインサイドを固めてアレックス・カークの得点を阻止するチームディフェンスを見せていた部分に、これまでとは違う横浜が垣間見えた。